ステフィン・カリー選手によるバスケットボールキャンプ「Underrated Tour, powered by Rakuten」がついに日本上陸!

NBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」のスター、ステフィン・カリー選手にも周囲から認められず、選手として過小評価されていた無名時代があったのをご存知でしょうか?

そんな無名時代にも努力を続けてトップへと上り詰めるためにカリー選手が培ってきた経験や技術、そして彼のパーソナルコーチであるブランドン・ペイン氏によるNBAトップクラスのトレーニング方法を教えるバスケットボールキャンプ「Underrated Tour, powered by Rakuten」が6月22日と23日に東京で開催されました。

楽天は、カリー選手とのパートナーシップ契約を機に本ツアーのタイトルスポンサーをつとめています。今年1月から始まったアメリカ7都市を周るツアー、最終地点は米国以外では初となった日本!キャンプ2日間の様子をお届けします。

他人に自分の限界を決めさせない

世界トップリーグNBAの本場アメリカで、NBA選手を目指す才能あふれる若者たちがひしめき合うアメリカ高校バスケ界。熾烈な競争が繰り広げられるなか、プロスカウトたちは数えきれないほどの有能な選手たちの能力と将来性を5つの星で評価しています。

米有力スポーツメディアESPNが公表している高校生選手の「リクルーティング・データーベース」に掲載されているのは、5つ星と4つ星の選手のみ。ちなみに、NCAA(全米大学体育協会)が発表したデータでは、協会に登録する高校の選手がNCAAの最高リーグD1でプレーできる確率はわずか約1%(男1% 女1.2%)となっています。

現在、NBAオールスターに6度選出され、NBAファイナルで3度優勝している「ゴールデンステート・ウォリアーズ」のエースとして活躍するまでに成長したステフィン・カリー選手。しかし彼の高校時代の評価は星3つで、スタープレーヤー100人リストに彼の名前はありませんでした。

2000年代初頭、ノースカロライナ州の高校でプレーしていたカリー選手はチームを3度のカンファレンス優勝に導き、主力として活躍するも、スカウトからの評価は低いまま。当時の身長は周りの選手よりも低く、「小さくて細い」、「決定力がない」、「能力の限界」などと批評を浴び、3つ星の”underrated(低評価)”プレーヤーとみなされ、希望した大学からスカウトを受けられませんでした。

他人に自分の限界を決めさせない。例え評価されていなくても、努力を続け這い上がってきたカリー選手。そのような自身の経験から、日の目を浴びていない若い選手にも成長するチャンス、能力をアピールする場を与えたいというコンセプトのもと「Underrated Tour」を始めました。

カリー選手からの指導を勝ち取る”本気”の選考試合

ツアーの最終地は東京、場所は国際基督教大学の体育館で開催されました。初日にはオンライン公募から選ばれたおよそ80名もの選手たちがトライアル会場に集まり、翌日行われるカリー選手も参加するクリニックに参加できる30人の枠をかけて選考試合がスタート。

まだ互いを知らない同士で即席のチームを組み、各チームのコーチとも初対面。向上心が高く、競争を勝ち抜く気持ちがどの選手にも感じられました。そして、その30人を選考するのが、カリー選手のパーソナルトレーナーであるブランドン・ペインコーチ。

「初めて会う人とのチームで試合をすることは大変ですが、コミュニケーションをとってできるだけ早くチームメイトとの関係をつくり、チームのためにプレーをしてください。そして、今日から毎日守って欲しいルールが一つあります。この体育館に入ってきたときの自分より成長してこの体育館を去ることです」と選手たちを鼓舞しました。

会場に見学に来ていたコーチによれば、「今日集まった選手たちはインターハイには出場していない選手たちです。それにも関わらず、レベルが高い選手たちや個性的な選手が多くみられます」と選手たちの印象を語っていました。

試合前はあどけなく緊張していた若い選手たちが、試合が始まればみな一変。海外スタッフに囲まれ、国際色豊かな選考試合の中で、喜びや悔しさ、もどかしさなど、いろいろな気持ちをプレーを通じて爆発するように発散していました!

一日の最後には結果が発表され、残念ながら落選した50名の選手たちに対しても、「自分を選ばなかったコーチ陣の判断が間違いだったことを努力と成功で証明してほしい。その努力が明日を切り開きます」と激励しました。

NBAスター選手と同じコートに立って感じる感動、成長への意欲

そして翌23日、朝から始まったトレーニングにカリー選手がついにコートに登場しました!!

しかし、カリー選手との初対面を遂げた選手たちからは歓喜の声よりも、より一層の真剣さが表情から伝わってきました。夢の場所で活躍するスターの言葉や動きから学ぼうとする選手たち。

時折、練習の合間に選手たちを集め「フロアがどういう状況なのかを見て、どう動くかを素早く判断し、動くことが大事です」と状況の中で次の展開を考えてプレーすることをカリー選手は強調しました。本物のバスケットボーラーの言葉に選手たちは真剣に耳を傾けていました。

トレーニングやゲームの間に、選手たちに直接アドバイスするカリー選手。アドバイスをもらった高校生からは、「直接会って、プレーを見てもらえて嬉しかったです。自分のプレーについては、目線の位置やアイコンタクトに対してアドバイスをもらったのですが、細かい所まで見ていたので驚きました」と感動のコメントを聞くことができました。

NBAトップレベル選手を訓練するコーチによる指導

ペインコーチによるトレーニングでは、ドリブルの基本姿勢について紹介されました。

ボールをついている時のつま先と鼻の位置の関係から、体のバランスを意識し、さらには、腰や背中の筋肉や呼吸の意識までを動きの中で選手に自覚させる。前傾しがちなドリブル時に、つま先と鼻の位置を意識することで姿勢を保ち、シュートを打つときに前傾姿勢からシュートフォームに移る余計な動きをなくすというもの。

基礎的なドリブルフォームから、あらゆる動きへの展開可能性が広がるということを論理的に説明されていました。NBAの大柄な選手たちの中でも小柄なカリー選手がドリブルで抜き、多くのシュートを決める秘訣がそこにあるようでした。

前日に行われたコーチのためのクリニックに参加した日本人コーチは、「ドリブル一つに脳科学的視点で、体の動かし方を選手に(選手自身が理解できるように)わかりやすく説明していたことに驚きました」とNBAトップレベルコーチの指導に参加した日本のプロコーチもペインコーチの指導に感銘を受けていました。

「Underrated Tour」最終日。朝、会場に入ったときは緊張の面持ちだった高校生たちの顔は、2日間で学んだことを噛みしめ、もっと上手くなりたいという意欲に満ちていました。いつか輝くことを夢見て日々努力を続ける若者たちに、感動と刺激を与えツアーは終了しました。

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