楽天市場」には、「トレンドハンター」と呼ばれる人物がいます。「楽天市場」の購買データや社会の流行を分析し予測するデータアナリストの清水です。

昨年は、「インスタ映え」、「フォトジェニック」などの言葉が流行語となり、日常の体験をSNS上で共有することが多く見られた年でした。それを踏まえ清水に、トレンドハンターの役割と、今年のトレンド予想を聞いてみました。


 ―― 「トレンドハンター」とはどのような仕事でしょうか?

「楽天市場」における検索データなど楽天が保有する大量のデータだけでなく、外部のSNSのデータなども分析し、トレンドの「規則性」に注目して、消費者の潜在的なニーズを把握する仕事です。

―― トレンドはどうやって見つけるのですか?

 まず、流行る可能性があるモノに当たりをつけます。それらのモノから導き出せる「規則性」や「傾向」に基づいて、トレンドを予測します。

―― トレンドの規則性はどうやって見つけるのでしょうか?

 有名デパートや「楽天市場」での過去10年分の販売データを分析してみると、売れているものには、ある「規則性」があるんですよ。「楽天市場」でよく売れている商品やデパートの注目商品などを参考にして、例えば「売れている“おせち”」を見てみると、社会的背景に影響を受けていることが分かります。北陸新幹線ができたときには北陸の食材がおせちに取り入れられたり、ポケモンが流行ればポケモンをデザインに取り入れたおせちが売れたりしていました。

―― 2018年のトレンドキーワードは、「逆転」だそうですね。

はい。例えば、季節です。マンゴーといえば、春や夏が旬の果物と思っている人も多いのではないでしょうか?でも、「楽天市場」では、実は冬にマンゴーが売れているというデータがありました。これは、日本とは季節が逆のオーストラリアから日本へ出荷されているマンゴーで、日本の冬場でもおいしく食べることができることが理由のようです。また、ボージョレー・ヌーボーも、フランス産の解禁日は通常11月の第3週ですが、オーストラリア産であれば、7月に飲むことができるんです。

 男女といった性別の要素が逆になったアイテムも、今年のトレンド期待株です。女性がメンズ用の大きめの腕時計やアクセサリーをつけたり、男性用の化粧品の売れ行きが増加したりなど、一般的な制約にとらわれない消費傾向が見えてきています。

人種や、性別を越えるといったボーダーレスな流行みたいなものが社会的傾向に現れていて、まだまだ需要が伸びると感じたので、2018年には逆転のアイテムを「仕掛けて」みようと思いました。

―― 流行が生まれるのを「仕掛ける」んですね!

これは間違いなく来るだろうと思えるファッションやフードのトレンドは、逆に実際の商品を楽天市場の店舗などに提案して新しく作ってもらい、世の中にトレンドとして仕掛けることもあります。昨年末に発表した、鍋の具材をインスタ映えするようにケーキのように盛って見立てた「ケーキ鍋」などがそうです。

実は、「逆転」という今年流行しそうなキーワードは、1年以上前から仕掛け始めていました。例えば、7月のボージョレー・ヌーボーは2016年くらいに仕掛け始めていました。当時は成城石井さんも似たようなアイデアを取り入れ始めていたので、「逆転」のアイデアを説明して、流行商品を一緒に作る提案をしました。他にも楽天市場でワインを取り扱う店舗さんにもお願いしたり、ECコンサルタント(楽天市場の店舗を担当するコンサルタント)と連携して企画を広げましたね。

そのような土台をつくってから、あちこちに情報を出していきます。4万以上ある楽天市場の店舗でも、1000店舗に情報を伝えれば口コミでさらに多くの人たちに伝わりますからね。また、テレビや雑誌社の方などにも、トレンド要素や動向を伝え、消費動向のトレンドとして取り上げてもらうなどしています。

――データアナリストと言うと、オフィスにこもって数字やデータとにらめっこしているというイメージですが、だいぶ違うのですね。

 月の半分くらいは出張して、いろんな人と話をしたり、いろんな情報を仕入れたり、こちらから情報を提供したりしています。世の中の消費動向を肌で感じるのは、とても面白いですよ。

楽天に入社する前は旅行代理店に勤めていましたが、楽天に入ってECコンサルタントなどの仕事を経た中で、データ分析の重要性に目覚めました。

自分の出したトレンド予測や分析がニュースで取り上げられ、実際に社会の消費や流行を動かしていることを感じられたとき、仕事にやりがいを覚えますね。

おなじみのサファリルックで登場した「トレンドハンター」清水