中国からの熱視線!期待高まる日本の民泊

最近、テレビニュースなどで「民泊」という言葉を耳にすることが多くなりましたよね。日本では来年1月をめどに、定められたルールに従えば誰でも民泊の提供を可能にする住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されることが決まり、注目度が高まっているのです。空き家・空き部屋の有効活用や宿泊先の選択肢が広がっていくことが期待されています。

楽天グループの楽天LIFULL STAYでも、新法施行後の民泊サイト「Vacation Stay」(仮称)開設を目指して、国内の民泊物件開拓に取り組んでいるところです。すでに、中国最大級の民泊サイト「途家」(トゥージア)、エクスペディアグループで世界最大級の民泊サイト「HomeAway」、台湾最大の民泊・バケーションレンタル予約サイト「AsiaYo.com」との提携が決まり、大手の海外サイト経由でも日本国内の滞在先を予約してもらえるように着々と準備を進めています。

そんな中、日本で発表記者会見を行っていた楽天LIFULL STAYと途家の提携について、その反響の大きさから中国でも記者会見を開催することに!8月22日に北京で行われた会見では両者代表が登壇し、数多くの中国メディアの高い関心と期待を集めました。

記者会見で握手を交わす楽天LIFULL STAY代表取締役の太田 宗克(左)と途家共同創業者兼CEOの羅軍氏(右)
記者会見で握手を交わす楽天LIFULL STAY代表取締役の太田 宗克(左)と途家共同創業者兼CEOの羅軍氏(右)

中国の民泊サイト最大手「途家」との強力タッグ

途家は、2011年12月に設立され、現在、約50万件の民泊施設を中国国内で取り扱うまでに急成長するとともに、台湾、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアにも支社を持ち、アジア展開を拡大させています。日本では2017年3月に支社を設立し、日本語版の途家サイトをオープンしており、楽天LIFULL STAYとも強力タッグを組むことで、2025年までに20万件以上の日本の民泊施設の掲載を目指すとしています。

楽天LIFULL STAY にとって途家との提携は、とりわけ中国語圏を中心にアジアからの訪日旅行者を日本に呼び込むために大きな意味を持ちます。例えば、日本での民泊先を探したい中国人は、途家のサイトから中国語のまま、楽天LIFULL STAYが扱う日本国内の民泊施設を検索・予約することができるようになるのです。楽天LIFULL STAYの民泊サイトに施設を登録する国内の民泊提供者は、人口13~14億人ともいわれる中国のユーザーにアプローチできるようになるというわけです。

楽天LIFULL STAYの代表取締役である太田 宗克は会見で、「途家の抜群の集客力を通じて、中国からのインバウンド需要を喚起できることを期待しています。両者の強みを活かして、中国からの旅行客に素晴らしい旅行体験を提供し、日本文化への理解を深めていただくことにも寄与していきたいと思っています」と話しました。

日本が旅行先として中国人に人気なワケ

大都市だけでなく、地方や離島でも見かける機会が多くなった訪日旅行者。近年の日本政府によるビザ発給の緩和策もあり、世界からの日本への旅行者数は増加の一途をたどっています。2016年には前年比21.8%増の2,400万人を突破し、そのうち中国からの旅行者が全体の4分の1を占める約640万人と最も多く、前年比27.6%増の高い伸び率となっています。中国人にとって日本が魅力的な観光地として人気となっている理由はどこにあるのでしょうか?

中国人が日本を訪れる大きな目的には、ショッピングがあると言われています。「爆買い」という言葉に表されるようにお買い物好きな国民性に加え、近年の「本物」志向の高まりから、日本の品質の高い家電や化粧品などを求めて東京や大阪でのショッピングを楽しみにして行くといいます。また、日本は東南アジア諸国よりも地理的に行きやすく、治安も良いので安心して旅行を楽しめると考える人が多いようです。京都や奈良といった歴史的な街の観光は根強い人気がありますが、リピーターも増え、様々なスポットを訪れるようになっているそうです。

途家の共同創業者兼CEOの羅軍(Justin Luo)氏は会見で、「日本は、途家の海外戦略にとって最も重要な国です。日本には長い歴史とほかにはないユニークな魅力がたくさんあり、中国人にとって一番人気の旅行先となっています。中国人は、旅行先でその土地の生活を肌で体験し、文化や歴史を感じられるような特別な経験を求めており、日本で民泊したいという需要は確実に高まってきています」と日本市場への期待を熱く語りました。

民泊は日中友好の架け橋へ

今後、中国を含む海外からの観光客はますます増加し、宿泊需要はさらに高まると予測されています。すでに国内の宿泊施設は逼迫してきていることから、民泊を含むより幅広い宿泊の選択肢を提供することが求められています。

楽天LIFULL STAYと途家の両代表は、こうした需要の高まりについて、両者のタッグによるビジネス機会への期待とともに、民泊事業を通じて日本と中国の友好関係を深めていくことにも貢献していきたいと語っていました。民泊は日中友好の架け橋ともなりそうで、今後、中国からの訪日旅行者がさらに増え、日中友好が深まると良いですね。

 

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