「キャッシュレス」って何だろう?楽天の取り組みと目指す未来は

※本記事では、画像データとして中学生向け教室「電子マネーから、学ぶキャッシュレスと経済のしくみ」の教材を使用しています。

日本は“現金大国”とも言われるほど、決済のキャッシュレス化において世界に大きな後れをとっているとされています。しかしながら、超高齢化社会に突入しながら少子化に歯止めがかからない日本にとって、年々深刻化する人手不足の解消や生産性向上における大きな可能性をキャッシュレスは秘めています。

様々なキャッシュレス決済サービスを提供する、楽天ペイメント株式会社(以下「楽天ペイメント」)および楽天Edy株式会社(以下「楽天Edy」)では、日本における決済のキャッシュレス化を推進すべく、認知向上を目的とした若年層向けイベントなどを実施しています。“見えないお金”の仕組みや利点、取り扱いの注意点を正しく理解してもらうことで、決済プラットフォーマーとしての責任を果たそうとするものです。

今回、楽天のキャッシュレス決済サービスとして目指す未来像について、オンラインでインタビューをしました。お話しいただいたのは、楽天ペイメントで広報業務に携わるRisakoさんと、楽天ペイメント、楽天Edyでマーケティング活動や編成業務に尽力するTakunさんです。

写真左: Takunさん、写真右: Risakoさん


「キャッシュレス決済」って何?: 6歳からのキャッシュレス教育

——決済のキャッシュレス化に伴って、子どもたちがお金の価値を学ぶ環境は失われつつあるという声もあります。そうした危機感を抱く親世代が多い中、楽天ペイメントと楽天Edyでは、キャッシュレスについての若年層に向けたイベントを何度か実施してきました。

Risako: 直近では2023年4月に、全国の教育機関などで、児童や学生を対象に金融教育やキャリア教育の講座を開催しているキッズ・マネー・ステーションの協力のもと、小学校低学年の児童と保護者を対象にした「親子キャッシュレス教室」(以下「親子向け教室」)を開催しています。2021〜2022年にかけては、ソニー株式会社が主催した中学生向け教育プログラム「電子マネーから学ぶ、キャッシュレスと経済のしくみ」(以下「中学生向け教室」)にも協賛して共に実施してきました。

——キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを完了させるサービスの総称ですね。

Risako: そうですね。楽天においては、キャッシュレス決済「楽天ペイ」、電子マネー「楽天Edy」、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード(ポイントで支払う)」、クレジットカード「楽天カード」などが該当します。支払いタイミングも様々で、プリペイドカードなどの「前払い」、デビッドカードにみられる「即時払い」、クレジットカードが代表的な「後払い」の三つがあります。

サービスによって支払いタイミングが固定されているものもあれば、選択できるものもあるのですが、サービス全体としてこれら三つすべてを網羅的に備えていることが、楽天が提供する決済サービスの圧倒的な強みだと考えています。

——親子向け教室で使用したキャッシュレス決済サービスは「楽天Edy」でしたが、「楽天Edy」とはどういったものですか。

Risako: 事前に入金するプリペイド型の電子マネーです。スマホアプリでも使えますし、Edy機能を備えたカード型の「Edyカード」のほかに、キーホルダー型の「きゃらぺいっ!」などの持ちやすい形もご用意しています。親御さんが使用する金額を管理しやすいため、お子様でも安心してご利用いただきやすい決済サービスとなっています。


キャッシュレス教育におけるプラットフォーマーの使命と責任

——親子向け教室や中学生向け教室では、具体的にどのような取り組みが行われたのでしょうか。

Risako: 親子向け教室では、事前に希望者を公募して、計14組(計32名)の親子にご参加いただきました。楽天クリムゾンハウスを会場とし、楽天ペイメントの従業員が登壇してキャッシュレスの基礎的な知識の学びを深めていただいた後、実際に「楽天Edy」を使用して実店舗でのお買い物体験に挑戦していただいた流れです。

Takun: 中学生向け教室については、神奈川県横浜市立のとある中学校にご協力いただき、校内でキャッシュレス授業を実施、約120名の学生が参加してくださいました。授業では私が講師となり、キャッシュレス決済の基本的な仕組みからスタートして、その利便性や価値を説明するとともに、取り扱いの注意点についてもお話ししました。

——授業の内容や伝え方で心がけたことや、当日の所感を教えてください。

Risako: 親子向け教室は6〜8歳を対象にした企画でしたので、子どもたちが飽きないようなスライド作りを念頭におきながら、当日は積極的に問いかけをしたり、クイズを出すことによって、能動的に参加していただけるようなプログラム構成を心がけました。結果として、予想を上回るほど児童たちの関心を引き出せたことは、大きな収穫だったと思っています。

Takun: 中学生向け教室においては、基本的なキャッシュレスの知識だけでなく、具体的な決済の仕組みのほか、「キャッシュレスを利用することでどのような良いことがあるか」など、より深掘りすることで理解を深めていただけるように努めました。

近年、小学生〜高校生への授業において、年齢に則してお金や金融を学ぶことが新しく指導要領に定められたのですが、授業後に行ったアンケートの回答の中に、「これからは今日学んだ注意点にも気をつけながら使っていきたい」というコメントが多かったことに驚きました。交通系ICカードなどでキャッシュレス決済を日常的に利用していても、取り扱いの注意点への知識が不十分であることに気付かされました。

また、先生方においても、お金や金融について教えることへ難しさを感じている方が少なくないようで、我々のような決済プラットフォーマーが直接指導させていただくことに大きな意義を感じました。

——幼い頃からお金の仕組みを学ぶことは大切であるのはわかりますが、現状のように支払い方法や決済方法などが多くあって複雑化していることは、利用のハードルを上げているように思うのですが。

Takun: むしろその逆だと考えています。私たちは、決済においてあらゆる選択肢をご用意することで、誰もが使いやすい環境作りを目指しています。例えば「楽天ペイ」アプリならば、スマホ一つで買い物ができますし、カードタイプも提供している「楽天Edy」であればスマホを使わずに素早く決済できるので、レジが混雑するスーパーマーケットなどで需要が高いなど、様々な利用シーンを想定してサービスを提供しています。


誰も取り残さない社会を目指して展開する多様なキャッシュレス決済

——キャッシュレスを扱う上での注意点として、どのようなことを指導されましたか。

Takun: まずは「使い過ぎへの注意」です。キャッシュレスは、お金が“物質として見えない”からこそ、現金以上に計画的に利用する必要があるため、例えば、サイトやアプリから利用状況を定期的に確認することの重要性を伝えました。

次いで、「不正利用への注意」についてです。キャッシュレスサービスを利用する際の、IDやパスワード管理の重要性などについても説明させていただきました。

——そうした、キャッシュレス決済ならではの取り扱いの難しさについては、決済プラットフォーマーとしては注意喚起をしていくことに大きな責任がありますね。

Risako: おっしゃる通りです。私が広報として所属している楽天ペイメントには、こんなスローガンがあります。それは、「人がテクノロジーに合わせることではなく、それぞれの利便性に合わせてテクノロジーが人に合わせ、毎日をより豊かに支えることが、あるべき姿」です。

例えば「楽天Edy」のカードタイプは、高齢者やお子様を持つ親御さんに支持していただいていますが、高齢者やお子様であっても安全で安心に扱っていただけるよう、こうした教室を通して利用者の声に耳を傾け、誰もが使いやすいサービス提供に努めていきたいです。

——では最後に、決済のキャッシュレス化について、未来へのビジョンがあれば教えてください。

Takun: 楽天グループが提供する決済サービスは、いろいろな手段があり、利用者が利用シーンなどによって使い分けできることが最大のメリットです。特にスマホ決済アプリの「楽天ペイ」が、日本のQRコード決済において一番高く評価(※)されていることは、とても誇らしく感じます。

そして私個人の思いとしては、今後も人々にとってより便利な決済サービスを提供し続けることで、多くの人の生活をより豊かなものにすることができればと思っています。


※2023年度第2回日本版顧客満足度指数調査(JCSI)QRコード決済業種で「顧客満足」指標など6指標で第1位の評価を獲得。(https://www.jpc-net.jp/research/detail/006581.html

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