Dialogue for Change with Rakuten:楽天の社会との「対話」を通じたエンパワーメント

Dialogue for Change with Rakuten」は、楽天とNPOの職員や自治体関係者、学生などの多様なステークホルダーの皆様が共に手を取り合い、社会を変革し、未来に向けてポジティブな影響を生み出すことを目指す、「対話」を起点にした約半年間のプログラムです。チームに分かれて1つのテーマについて「対話(Dialogue)」を重ね、ワークショップやフィールドワークなどを経て、イベントの企画・実行や、仮説を確かめるためのプロダクトづくりなど、様々なアクションに取り組むことで未来に向けたビジョンを発信していきます。

このプログラムは2022年に開始し、2024年が3回目の開催となりました。本記事では、2025年1月に東京の「楽天クリムゾンハウス(楽天グループ本社)」にて行った活動報告会の様子をご紹介します。

(これまでの活動報告会のブログ:第1回第2回


「対話」と「共創」の場:共にありたい未来を考える

2024年の「Dialogue for Change with Rakuten」は、「多様な幸せを実現する地域のレジリエンス」をテーマに開催されました。「地域のレジリエンス」とは、あらゆる危機に対して柔軟に対応し、コミュニティを持続し続ける力のことを指します。誰もが多様な幸せを実現できる社会を作っていくために、社会変⾰に必要なイノベーションと地域のあり方について、プログラム参加者の皆様との対話ワークショップやアクションを通じて約半年間探求しました

本プログラムは、2023年、2024年と2年連続で、長野県を企画・運営パートナーとして迎えました。特に2024年は、同年に締結した長野県と楽天グループの包括連携協定の一環として実施しました。長野県側からは、対話パートナー参加者として、長野県職員や銀行の方、大学生の皆様にもご参加いただきました。フィールドワークでは、長野県内の農家やローカルビジネス、半官半民で運営する施設などを訪問し、「地域のレジリエンス」を高めるために取り組む工夫や施策、改善のために必要な要素について学びました。そして、長野県立大学の会場をお借りしてワークショップを実施し、「地域のレジリエンス」のさらなる向上について個人やチームでとことん対話を深めました。

夏に実施した長野県立大学での対話ワークショップの様子

2025年1月には、活動報告会を実施。プログラム参加者だけではなく、企業やNPOのサステナビリティ推進担当者や、高校生、大学生、そして例年よりも数多くの自治体職員など総勢100名を超える方々にご参加いただきました。前半では、各チームから約半年間の「対話」やアクションを共有しました。後半では、来場者の皆様もご参加いただき会場全体で対話を行い、未来に向けたアクションについて考えました。オープニングでは、昨年に引き続き連携いただいている「長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センター(CSI)」のセンター長である東 俊之 准教授がご登壇し、昨年のプログラムや、大学にて実際に起こった「Change」を具体的な事例を交えながらご紹介いただきました。東センター長のお話しを通じて、イベント当日のみ参加された方々に、短期的なアウトプットだけでなく中長期的な視点での社会的なインパクトにつなげたいという、本プログラムの位置付けと価値をご共有しました。

毎年恒例となっている、全体対話のセッションでは、本年度のテーマ「多様な幸せを実現する地域のレジリエンス」について「対話」を行い、明日から取り組むアクションについて宣言しました。報告会においても、お互いの考えを共有して受け止め合い、新たな気付きを得る場を設けることができました。

活動報告会での対話セッションの様子


Dialogue for Change with Rakutenが生む「Change」

本プログラムへの思いを、プログラム全体のディレクターを担当したShiinaさんに伺いました。

サステナビリティ部ソーシャルインパクトグループのShiinaさん

—— 今回3度目の開催となった「Dialogue for Change with Rakuten」ですが、生まれたきっかけを教えてください

Shiina: 楽天はこれまでも「RSA(Rakuten Social Accelerator)」や「Rakuten IT School NEXT」などを通じて、多様なステークホルダーと人々と社会のエンパワーメントに取り組んできました。また70以上のサービスを運営する楽天として、新しい価値を生み出すことができないかと常に試行錯誤を重ねてきました。

そこで注目したのが「対話」です。「対話」という手法を用いれば、助ける・助けられるという一方通行の関係性ではなく、ステークホルダーの皆様と楽天の従業員が様々な視点や知恵を共有し持ち寄ることで社会的インパクトを生み出すことができるのではないかと考え、本プログラムの開催に至りました。

—— 例年と2024年度で異なる点はありますか

Shiina: 本プログラムも3年目を迎え、従業員やステークホルダーの皆様に起こる「Change(変化)」も、徐々に見え始めてきました。私自身、このプログラムを通して「Change」した一人です。2022年に参加者として本プログラムに関わり、2023年はサポーター(事務局と参加者の中間の立場で参加者の対話やアクションをサポートする役割)として運営に近い視点で参加しました。その後、社内異動の仕組みを活用して自らサステナビリティ部へ異動しました。2024年には2年間の経験を活かして主催者側として 「Dialogue for Change with Rakuten 」に携わりました。私以外の楽天従業員も、本プログラムが転機となって社内組織のリーダーに立候補した人や、新しい部署や業務への挑戦を決めた人がいます。

ステークホルダーの皆様にも変化が生まれています。2022年のパートナーである宮城県気仙沼市では、本プログラムを通じてつながりができた専門家の方々と、気仙沼のまちづくりを推進する新たな取り組みが始まったそうです。さらに長野県では、楽天との包括連携協定の締結や、長野県立大学の学生らによる地域活性化の自主企画の立案など、様々な「Change」が生まれています。

—— 本プログラムで、個人的に印象に残った瞬間もしく考えさせられたことはありますか?

Shiina: 活動報告会で実施した全体対話のセッションの盛り上がり方が、特に印象に残っています。役職や経歴、価値観が全く異なる人々が集まり、1つのテーマをフラットな目線や立場で「対話」していましたが、会場の温度が1、2度上がったように感じるくらいの熱気がありました。初対面にも関わらず、参加者一人ひとりがお互いの話を否定や評価ではなく受け止め合うことで、短い時間で深い関係性を築いていく様子は、普段の業務ではなかなか見られない貴重な体験でした。

今回、社会課題や社会変革に向き合う上で、「対話」の時間がいかに必要不可欠であるかを改めて実感しました。また「対話」の場に個性豊かで魅力的な方々が集まってくださったおかげで、化学反応のような新たな発見やつながりが生まれることも非常に印象的でした。


「Change」の連鎖と進化を目指して

ご参加いただいたステークホルダーの皆様からは、以下のようなコメントをいただきました。

「総じてフラットな関係性を感じた。こういうイベントでは課題意識があるものの、どこか他人任せであったり、組織や役割に徹して個の意見がなかったりする人が多いが、今回の場ではそれをほとんど感じることがなく、素晴らしい共創の関係性が⽣まれているように思う。」(スタートアップ企業経営者)

「参加させていただきありがとうございました!自分より若い世代の皆様の、多様でクリエイティブな感覚に触れ、いい刺激をいただきました。本プロジェクトのこれからの展開がとても楽しみです。」(自治体関係者)

今後も、「Dialogue for Change with Rakuten」は、これからも多様なステークホルダーの皆様と共に、「対話」を通じて社会課題に向き合い、これからの社会の未来に目を向け、自分ごととして捉えられる人々を増やしていきたいと考えています。また、本プログラムをきっかけに、「対話」スキルの浸透や、日々想いを持ったアクションを継続する「Change」の発生、さらにそれが派生・連鎖して社会全体の大きな変革につながることを推進していきます。引き続きご注目ください!

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