年頭挨拶

新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表すとともに、御遺族の方には衷心よりお悔やみ申し上げます。また医療・介護関係者の皆様の献身的なご尽力に対し心より感謝申し上げます。

昨年は、世界や日本、そして楽天グループにとっても、いくつもの劇的な変化があった年でした。コロナ禍により、とりわけ日本においてはデジタル化の遅れが明白なものとなり、ここにきて否が応でも加速する兆しが見えてきています。この未曽有の変化の中、楽天グループとしても、ソーシャルディスタンスの啓発活動やリモートワークの推進、事業を通じた様々な支援に取り組んできました。

また、楽天グループの事業においては、2020年は年間のグローバル流通総額が22兆円規模となり、グローバルメンバーシップも約15億人となりました。インターネットサービス事業では、物流基盤の強化や多様化する消費者ニーズに対応した不断のサービス品質改善等もあり、特に「楽天市場」をはじめとするEC事業が大きく成長し、コロナ禍により影響を受けた事業においても力強さを見せ、国内EC流通総額は二ケタ成長の伸びを示しています。フィンテックサービス事業においても、楽天カード会員数が2,000万、楽天銀行口座数が900万、楽天証券口座数が500万を突破するなどのマイルストーンがありました。

国内では1億以上の楽天会員、そして累計発行ポイントが2兆ポイントを超えた「楽天ポイント」を軸に、オンライン・オフライン双方において「楽天エコシステム」が大きく拡大した1年となりました。グローバルにおいても、ブランド認知度が向上し、コンテンツ事業においては二ケタ成長の伸びを示しています。

そして、モバイル事業においては、完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークによる4Gおよび5Gサービスを本格開始し、料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の契約申し込み数はすでに昨年末で200万回線を突破しています。さらにサービスの拡充を図り、これまでにないようなモバイルサービスを消費者に届けていきたいと思います。また、日本で完全仮想化により構築したこのコミュニケーションプラットフォームを世界にも展開していき、グローバル通信業への進化を図っていきます。

サスティナビリティの観点でも、様々なイニシアチブがグローバルで認知された1年でした。国際的なイニシアチブである「RE100」に参加し、CDPの「気候変動Aリスト」にも初めて選定されました。また、ESG関連の主要なインデックス構成銘柄への選定により、環境・社会面に関する積極的な開示に対する高い評価を受けました。

デジタル化社会においては、データ・AI活用の重要性はますます高まっていきます。楽天は1億以上の会員基盤と70以上のサービス、それらから蓄積される膨大なデータがあります。これらを活用し、ユーザーにさらなる利便性の高いサービスを提供していくとともに、世の中のデジタルトランスフォーメーションの進展を後押ししていきたいと考えています。

楽天は今後も、未来を見据え、イノベーションとアントレプレナーシップを通じて新しい常識をつくっていき、パートナーの皆様やユーザーに、持続的に新しい価値を提供していければと思います。

2021年1月12日
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史

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