「LGBTQ+」理解促進の新しいカタチ!「ぬりえ」フラッグで広げるオンラインプライドパレードとは?

6月はプライド月間(Pride Month)であることを皆さんご存じでしょうか?プライド月間とは、LGBTQ+(注1)の権利について啓発を促す期間として世界的に認知されており、各地で様々なイベントが行われています。

70を超える国・地域出身の多様なバックグラウンドを持つ従業員が2万5千人以上いる楽天にとって、ダイバーシティへの取り組みは企業戦略のひとつの柱となっています。様々な個性、価値観、才能を持つ従業員が集まり、革新的なサービスを創造し続けることを大切にしている楽天としても、このプライド月間含め、LGBTQ+への理解促進に向けた活動を積極的に行っています。

プライド月間に入った6月1日には、楽天本社オフィスのエントランスは、多様性を表す虹色の旗が置かれ、カラフルに様変わりしていました。

今回は、楽天が今までどのようなダイバーシティに関する取り組みを行ってきたのか、そして今年プライド月間に合わせて実施している「Walk Together with Pride」の概要や目的について、ダイバーシティの推進を行う部署にて、今回のプロジェクトを担当するKotaさんにお話を伺いました。

Kotaさん

多様な従業員がワンチームで働ける組織文化へ

――はじめに、Kotaさんが所属する部署について教えてください。

私はエンプロイー・エンゲージメント部のDIBsグループに所属しています。DIBsというのは、「Diversity」「Inclusion」「Belonging」の3つの英単語の頭文字をとったものです。そこでダイバーシティの推進を担当しており、多様な従業員が自分らしく個性を生かしながらもワンチームで働くことのできる組織文化づくりのために、その土台となる楽天グループの価値観・行動指針を共通言語として明確化した「楽天主義」を伝えていく役割を担っています。社内有志グループ「楽天LGBT+ネットワーク」や事業部の皆さんにご協力いただきながら活動しており、具体的には、従業員のダイバーシティへの理解を高めるためのイベントを開催したり、会社の制度の変更を提案したり、研修内容を考えたりしています。

イベントを通して価値観が変わるきっかけを提供できたらうれしい

――これまで楽天が行ってきたダイバーシティに関する取り組みには、どのようなものがあるのでしょうか。

楽天はこれまでも、同性パートナー(注2)を社内規定で配偶者とできるように変更し、慶弔休暇・見舞金といった福利厚生を受けられるようにするなど、社内制度を整えてきました。性別関係なく使える多目的トイレの導入、オンラインとオフライン両方の相談窓口の設置、LGBTQ+の理解促進に向けたオープンセミナーの開催、全社会議の朝会でダイバーシティに関するセッションの実施など、様々な活動を行ってきました。

直近では、「楽天モバイルスペシャルイベントマネジメントチーム」と「楽天LGBT +ネットワーク」のメンバーを中心に、「Employees Spotlight Session」という楽天の従業員を対象とした社内イベントを開催。パネルディスカッションを通じてLGBTQ+に関して社員全員で考える機会を作りました。

また、従業員への取り組みに留まらず、楽天グループではサービスを通じてもLGBTQ+関連の取り組みを行っています。

■ 楽天カード
楽天カード会員を対象とした、生計を同一にするご家族様へ発行するクレジットカード「家族カード」(注3)において、同性パートナーも対象にしています。
URL: https://support.rakuten-card.jp/faq/show/12579?site_domain=guest

■ 楽天銀行
同性パートナー向け住宅ローンを提供しています(2017年にリクルート住まいカンパニーが運営する「スーモカウンター新築マンション」を通して新築マンションの購入をされるLGBTの方向けに、住宅ローンの提供を開始。また2021年4月から、三好不動産とも提携)。パートナーシップを公認する公的書類の提示なしで申し込むことができ、同性のパートナーと一緒に団体信用生命保険にご加入いただきます。
URL: https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/lp/lgbt-homeloan.html

■ 楽天生命
同性パートナーを死亡保険金受取人としてご指定いただけます。
URL:https://faq.rakuten-life.co.jp/faq_detail.html?id=2018&page=1

■ 楽天Edy
「楽天Edy」と「楽天ポイントカード」を一体化させた「Edy-楽天ポイントカード」において、LGBTQ+などの性的マイノリティの権利擁護を支援する意思を示すイメージカラーとして世界的に使われているレインボー柄のカードを、「楽天市場」内の「楽天Edy」オフィシャルショップで販売しています。
URL: https://item.rakuten.co.jp/edyshop/edy-rpoint_red/

また、LGBTQ+に対する理解を促進させるための社外の活動にも積極的に参加しており、2018年と2019年には「東京レインボープライド(以下、「TRP」)」に参加しました。楽天のブースを出展し、楽天の取り組みを発信するとともに、「LGBT支援が必要なサービス」というお題でアンケートを募ったほか、プライドパレードにも参加しました(過去の「TRP」参加時の様子はこちらからご覧いただけます)。

2018年に実施した「東京レインボープライド2018」の様子

――東京レインボープライドはとても大きなイベントですよね。そこに参加してみていかがでしたか?

有名なイベントということもあり、入社したばかりの新入社員を含め、予想以上に楽天の従業員がたくさん参加してくれて嬉しかったです。今までの活動の中でも「TRP」への参加は非常に大きな意義があったと感じています。楽天で働くLGBTQ+の当事者やアライ(理解者)(注4)の方に、「このイベントに参加してくれてありがとう」と言っていただけたことや、「(社外の方からも)楽天の取り組みを知ることができて嬉しいです」とコメントをもらえたことは、とても印象に残っています。

それだけでなく、当事者やアライ以外にもLGBTQ+に関して知識はないが興味があったという参加者もいて、どんどん参加してくれる人が増えていったのは嬉しかったですね。実際にLGBTQ+の理解を促進するために、イベントを実施することや、まだ理解が浸透していない方々にきっかけをつくることの重要性を改めて感じました。


コロナ禍でも取り組むことの意義

――今年は初のオンラインでの試みとなりましたが、今回の見どころはなんですか?

新型コロナウイルスの感染拡大により、直接のコミュニケーションが難しい今だからこそ、LGBTQ+について知っていただく機会をつくりたいという思いがありました。ブランディングやデザインの部署とも連携してオンライン施策を中心に企画を考え、「Walk Together with Pride」というテーマの特設サイトを開設して、そこから様々な施策を展開するようにしました。ぜひ皆さんもこちらからご覧ください!

まず、より多くの方がLGBTQ+に関して考える機会を持つために、「TRP」で象徴的なパレードをなんらかの形で実施できないかと考えました。そこで考えついたのが、SNS上でパレードを演出する「オンラインプライドパレード」でした。パソコンやスマートフォンのアプリ上で、6種類のぬりえをそれぞれの個性で自由に表現していただき、それをSNS上でシェアいただくことで、「ぬりえ」をフラッグ(旗)に見立て、多様性へのサポートを表現するパレードへの参加を演出するキャンペーンとして実施しています。

ぬりえ用のイラストデータの例

「#WalkTogetherWithPride」のハッシュタグで、皆さん素敵な個性を表現したぬりえを投稿されているので、ぜひSNSで検索してみてください!

また、より多くの方々にLGBTQ+の理解を深めてもらうために、今回の「Walk Together with Pride」をコンセプトにした虹色のデザインや、楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」がレインボーフラッグに描かれたバーチャル背景を作成しました。オンライン会議のアイスブレイクや雑談のきっかけとして、ご活用いただき、LGBTQ+について考えるきっかけになれば良いなと思います(ダウンロードはこちらから)。

――グループ横断で取り組むことの面白さとは?

楽天だからこその取り組みを実施することも面白いことだと思っています。

今年は新たな試みとして、フリマアプリの楽天「ラクマ」で、虹色の楽天ロゴがプリントされた梱包用テープ「楽天レインボーテープ」を作成し、「楽天モバイル」の一部店舗にて配布する企画をプライド月間に行っています。

楽天「ラクマ」は、フリマアプリとして地域や世代を問わずモノを介して日本中の人がコミュニケーションを取ることができるプラットフォームです。だからこそ、私たちのダイバーシティ推進活動に賛同いただける方々に、ユーザー参加型で情報を自ら発信していただける仕組みとして、何かできないかという思いから生まれた取り組みでした。

「楽天モバイル」は楽天グループの事業の中でも、お客様と直接接点を持てる店舗を全国各地に有する事業なので、連携することで相互送客の機会にもなり得ますし、面白いコラボが実現できると考えました。

「楽天モバイル」の店舗での配布以外にも、出品代行サービス「ラクまるっと」でプライド月間中に購入いただくと、このテープが梱包テープに使用されて届きます!(ラクまるっと 楽天「ラクマ」内の公式ショップはこちらから)

たくさんの事業を展開する楽天だからこそ、ダイバーシティを考えていただくためのきっかけづくりに関われる機会が多いと思います。グループ全体、全員で作り上げていくことにやりがいを感じます。

今年は皆さんのご協力によって作り上げることができました。昨年はコロナ禍の影響で実施できなかったことが多かったので、とても嬉しいです。

多様なサービスを提供する特徴を生かした、ダイバーシティの推進

――最後に、楽天は今後どのようなダイバーシティの取り組みを実施していくのでしょうか。

社内の多様性に関する理解がさらに推進できればと思っているのと、自分たちの部署がなくても、ダイバーシティに関して常に感度が高い組織文化を定着させることが究極なゴールであると感じています。

一方、社内の活動だけではなく、ダイバーシティへの配慮や取り組みが楽天の従業員やサービスを通して、社外にもうまく浸透できればと思います。だからこそサービスの多様な楽天の特徴を生かして、より多くの人に多様性を意識してもらえるような取り組みが会社としてできればいいなと思っています。


以上、Kotaさんへのインタビューでした。より多様性が理解される世の中に一緒に変えていきたいですね。ぜひ皆さんも、この機会に「オンラインプライドパレード」にご参加ください!

今後もダイバーシティに関する情報を随時発信していくので、ぜひご注目ください。

(注1)LGBTQ+: レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングもしくはクィアの英語の頭文字を並べた言葉です。ここでは、LGBTQ+に限らず、多様な性のあり方を尊重する意味で使用しています。
(注2)同性パートナー: 戸籍や在留カードなどのID上の性別が同性であるパートナーのこと。
(注3)一部、家族カードのお取り扱い対象外のカードがございます。詳細は以下URLよりご確認ください。
https://www.rakuten-card.co.jp/service/family-card/
(注4) アライ: 英語で「同盟、支援」を意味する「ally」が語源で、LGBTQ+などの性的マイノリティの権利擁護を支援する立場を明確にしている人を指す言葉として用いられています。

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