「楽天ファーム」が本気で取り組む、国産100%オーガニック野菜のすすめ

日本では、夏が過ぎて秋になったと思ったら、あっという間に冬に移り変わったと感じるほど、季節の変わり目に寒暖差を感じますよね。昨年の9月に発表された寒暖差に関しての意識調査(注1)によると、約7割の方が季節の変わり目に体調を崩したことがあると答えています。原因は、寒暖差に対応しようと自律神経が体温調節を図ることによって疲労が蓄積する、いわゆる「寒暖差疲労」によるものと考えられています。もうすぐ春を迎え、そうこうしているうちにまた暑い夏もやってきます。知らず知らずに疲弊する自律神経を整えるためにも、季節の変わり目には特に規則正しい生活習慣や食生活の改善を心がけたいところです。

厚生労働省の「健康日本21」(注2)では、健康な生活を維持するために、成人1日あたり「350グラム以上」の野菜類を食べることを推奨しています。さらには、特定の成分を強化した食品に依存するのではなく、基本的には通常の食事としての摂取が望ましいとされています。健康面を考えはじめると、農薬を使用していない安心・安全なオーガニック野菜を積極的に摂取したいと思うものの、毎日オーガニック野菜を350グラム以上の摂取していくとなると難しいイメージがありますよね。

楽天グループの農業サービス「楽天ファーム」では、オーガニック農業を中心とした持続可能な農業での野菜の生産や商品開発を通じて、誰もがオーガニック食品を直接手に入れやすくなる環境づくりを推進しています。本記事では、日本におけるオーガニック野菜市場の現況に触れながら、「楽天ファーム」のミッションやオーガニック野菜にかける想い、商品開発の裏側についてご紹介します。

増え続ける耕作放棄地。オーガニック野菜の生産が差別化の鍵!?

「楽天ファーム」を運営する楽天農業株式会社(以下、「楽天農業」)は、日本の農業の課題を解決し、国内におけるオーガニック農業とオーガニック野菜の普及拡大を目指しています。農業就業者の高齢化や労働力不足により、年々増加の一途をたどる耕作放棄地ですが、代表取締役の遠藤 忍は、オーガニック農家にとって耕作放棄地は「宝の山」だと捉えています(農むすび「楽天ファーム誕生秘話。どうしてこんなバカなことを始めたのか?」より引用)。

農薬や化学肥料を使っていた農地では、オーガニックの認証(有機JAS)取得のために2年以上は農薬や化学肥料を避けて開墾をする必要があるのですが、耕作放棄地の場合はもともと放棄されていた分、農薬等は使われておらず1年で認証取得が可能になります。さらには、土地条件が悪く、大量生産ができずに放棄されたという場所がほとんどのため、一般的な作物を作るのでなく、あえて手間がかかり、希少価値の高いオーガニック野菜を生産することで、他の農地との差別化になるのだそう。

農林水産省によると、国内において、有機JASを取得している農家戸数は総農家数に対して、わずか0.2%(注3)。また、耕地面積に対する有機農業取組面積の割合も同じく0.2%と、世界各国と比較しても大きく引き離されている状況です。

耕地面積に対する有機農業取組面積と面積割合(2017年)(注3)

楽天農業は、このような日本の農業に変革をもたらし、多くの方にオーガニック野菜を楽しんでいただくために、2018年6月に有機JAS認証のカットサラダ工場を稼働させ、2020年2月に冷凍野菜工場を新設しました。

「楽天ファーム」のマーチャンダイジングおよびマーケティング業務を担当しているKayさんに、これまでの商品化の歩みと商品開発の裏側についてお話をうかがいました。

Kayさん

収穫したオーガニック野菜は新鮮な状態のまま、すぐに加工

――「楽天ファーム」の加工商品はカットサラダから始まっています。「楽天ファーム」ならではの特長を教えてください。

Kayさん:カットサラダでは、一般的に洗浄に使われている次亜塩素酸ナトリウムを使用せず、農林水産省のオーガニック基準で認められた洗浄水で洗浄・殺菌をしています。栽培地の近くに工場を構えているのは、収穫したオーガニック野菜を新鮮な状態のまま、すぐに加工の工程に入れるためです。野菜は収穫した瞬間に切ったところから傷み始めてしまうため、鮮度管理が重要になり、速やかに保冷する必要があります。保冷する適温も野菜によって異なります。

実は、根菜は収穫後でも比較的長期で保管することができるため、通年で提供できますが、葉物は同じ種類のものを通年で提供することが難しいのです。そのため、それぞれの季節に収穫できる野菜を楽しんでもらえるようにミックスサラダとして提供することになりました。例えば、冬ですと、葉物には山東菜や白菜などが入ります。毎日飽きることなく楽しんでいただくためにも、今後も商品そのもののバリエーションを増やしていきたいと考えていて試作を重ねています。

――冷凍野菜を実際に購入された方からの反響はいかがでしょうか?

Kayさん:「楽天ファーム」の冷凍野菜は、急速冷凍することで、美味しさと食感を閉じ込めています。そのため、野菜の甘さや食感そのものに感動したという嬉しい声をいただくこともあります。また、袋のまま電子レンジで温められる商品もありますし、そのまま鍋やフライパンに入れるだけでも調理できるので、時短料理をされたい方や、野菜を少しずつ使いたい方からも好評を得ています。さらに、使いやすいだけでなく、安全・安心なオーガニックな食材ですので、介護食や離乳食作りに利用いただくことも多いようです。私たちもお客様のニーズに合わせられるよう、カレー用野菜ミックス、玉ねぎのみじん切り、ミックスベジタブルなど、商品のラインナップを増やして提供しています。カレーやハンバーグといった様々な料理にご活用いただければと思います。

冷凍工場でじゃがいもを加工する様子

――糖質制限ができる「100%オーガニック 冷凍カリフラワーライス」もやはり人気ですか?

Kayさん:おうち時間が増えたことで自宅での食事機会が増え、食事に気を使われる方から大変好評をいただいています。100%オーガニックでカリフラワーを生産される農家は少ない一方で、私たちは自社畑でカリフラワーを育て、それを主に使用しています。野菜そのものの甘味を感じられるため、お米と置き換えてもお米と好みの割合でミックスしても、おかずの美味しさをしっかり引き立ててくれる商品です。

試行錯誤を重ねて開発した「100%オーガニック冷凍スムージー」

――昨年の6月から販売が始まった「100%オーガニック冷凍スムージーキット」は、どういった経緯で商品化に至ったのでしょう?

Kayさん:「楽天ファーム」のユーザーからの声を受けたこともあり、保存料・着色料・甘味料などすべて無添加の100%オーガニックなスムージーキットを作ることになりました。開発担当のチームを組んで、これくらいのブレンド時間だと小松菜は繊維が残るだとか、どのくらいの解凍時間だとベストな状態で飲むことができるだとか、水や牛乳、豆乳との合わせ方など、試作の度に大量のスムージーを試飲しながら試行錯誤を重ねました。特に果物は有機で栽培できる種類が限られてしまうため、自社の冷凍工場で様々な野菜や果物を組み合わせて、量や配分を調整していきました。

レシピの観点では、管理栄養士さんの力も得ながら、栄養の相乗効果も合わせて考えました。現在のテイストは6種類ですが、今後新たなテイストも増やしていきたいと思っています。商品ページに掲載しているアレンジレシピには、寒い時期にぴったりなホットスムージーのレシピもあるので、ぜひお試しください。

スムージーをきっかけにオーガニック野菜の味を知ってもらうことも増えているのだそう

――「楽天ファーム」の商品はどこで購入できますか?

Kayさん:「楽天ファーム」の公式ページ、「楽天市場」の直営EC店舗「楽天ファーム オーガニック&ナチュラルマーケット」をはじめ、ネットスーパーでは「楽天西友ネットスーパー」、その他にも全国の多数の小売店で取り扱っていただいています。

農業メディア「農むすび」で作り手の熱い想いを発信

――作り手のことをもっと知りたいという方に向けた情報発信は、何かされていますか?

Kayさん:はい、どんな人がどういう想いでオーガニック野菜を作っているのか、消費者の方にも知っていただきたいと考え、「楽天ファーム」の運営する農業メディア「農むすび」、ご購入いただいたお客様に商品と一緒に同梱させていただいている冊子「Farm to Table」、公式SNSアカウント(InstagramTwitter)で情報を発信しています。商品だけだとなかなか伝わらないような、農地や生産の様子も積極的に紹介するようにしています。自社の栽培地だけでなく、「楽天ファーム」に参画いただいているオーガニック農業に取り組む農家さんの熱い想いや、日本の農業への課題観などを知ることもできるので、ぜひチェックしていただければと思います。

「農むすび」のトップページ

今は国内では希少とされるオーガニック野菜ですが、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」(注4)を通じて、政府が、将来的な生産力向上と持続性の両立を実現するために、有機農業取組面積の割合を25%に拡大することを目指す方針が発表されています。コロナ禍の巣ごもり需要も後押しとなり、オーガニック野菜普及の追い風となることが期待できそうですね。

美味しく手軽に調理できる「楽天ファーム」の100%オーガニック商品を、ぜひお試しいただければ嬉しいです。今後の商品開発にもご注目ください!

(注1)リンナイ株式会社「寒暖差疲労に関する47都道府県別意識調査」【リンナイ調べ】
https://www.rinnai.co.jp/releases/2021/0907/
(注2)厚生労働省 「健康日本21」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/top.html
(注3)農林水産省 「有機農業をめぐる事情」 
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/r01_6/attach/pdf/index-9.pdf
(注4)農林水産省「みどりの食料システム戦略」トップページ
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html

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