【新日常】リモートワークの課題を企業の枠を越えて共に向き合う ~「#取引先にもリモートワークを」~

今、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、社会全体として新しい日常への移行が求められています。

政府による緊急事態宣言延長の発表においては、その解除に向けて感染拡大防止のための新しい生活様式の普及が前提になるということで、具体的な提言案も示されました。楽天グループでも「ソーシャルディスタンスと5つのお願い」として感染抑止策の啓発をしていますが、これらの取り組みは今後も新しい日常として、引き続き日々実施していく必要があります。

企業が今できることは?

企業においても、緊急事態宣言による「特定警戒都道府県」では出勤者数の7割削減が要請されています。そんな中でも、企業は経済活動を維持していくために、コロナ禍後を見据えても、新しい経済活動の日常として、リモートワーク(テレワーク)や時差出勤の定着化を図っていく必要があります。

こうした新たな経済活動の実現のためには、各社単独の取り組みに留まるのではなく、複数社で足並みを揃えていくことが重要です。こうした中、5月1日にスタートした「#取引先にもリモートワークを」というアライアンスに楽天も賛同し、参加させていただくことになりました。

同アライアンスは、freee株式会社により、リモートワークの課題へ企業が枠を越えて共に向き合っていくために立ち上げられたものです。




勤務先で在宅勤務制度が導入されている人は約3割

リモートワークは、今日明日からいきなり社会全体として導入できるようなものではありません。

4月30日に「楽天インサイト」が発表した「在宅勤務に関する調査」では、勤務先で在宅勤務制度が導入されていると回答した人は約34%。

楽天インサイト「在宅勤務に関する調査」より

また、freee株式会社が4月23日に発表した「中小企業を対象としたテレワーク調査」によると、会社でテレワークが許可されていても、出社しなければいけないことがある人は約77%と、まだまだリモートワークを導入できない・仕組化できていない企業が多くあることがわかります。

freee株式会社「中小企業を対象としたテレワーク調査」より

こうした背景として、制度導入の課題が、社内におけるITインフラの制約だけでなく、取引先との書面のやりとりや押印の業務、対面営業の重視といった商習慣、自社のみでは完結しない業務にも多く存在することがあげられます。

今回、アライアンスに賛同する企業は、自社だけでなく取引先のリモートワークを可能とするアクションをそれぞれ設定し、互いにリモートワークが行える環境構築をしていきます。

他社に負担のない非対面の打ち合わせや商談を推進

楽天では、数年前からビデオ会議システムを全社的に導入していましたが、当初は海外の拠点や取引先、国内においては支社とやり取りする必要のある従業員での利用が中心だったため、実践する機会がほとんどない従業員もいました。

しかし、成功事例やノウハウなどを国内外で共有し合う「ヨコテン」(横展開)文化を大切にしていることから、社内のコミュニケーションをさらに活発化させるためにビデオ会議システムをより日常的に使うことを推進してきました。

コロナ禍の前に、すでに従業員全員が使える環境や意識を整えるとともに、マニュアルの提供や講習会の実施等を通じてツールに対する習熟度は高い状態となっていたため、今回のような緊急事態にも問題なく対応できたのです。在宅勤務が拡大するなかで、ビデオ会議時間も、1月と比べて4月には5.5倍となり、より日常的に使われるようになりました。

これにより今は従業員は誰でも、他社との打ち合わせや商談においてビデオ会議システムによる非対面での会議をお願いすることができ、特別なシステムや事前の登録がなくてもインターネットやスマートフォンからご参加いただけるように会議のホストとなり、参加方法をご案内できるようになっています。

画面を通じてお互いに顔を合わせながら、居場所を問わずその場で会話をしているかのような感覚で実施することができるので、他社でこれまで馴染みのなかったという方にも好評です。

2020年春入社新卒社員の研修もビデオ会議システムを使用し、すべてオンラインで実施。研修には、毎朝30分、三木谷も参加し、新卒社員と交流している。これもオンラインならでは。

電子署名・電子押印の全社的な拡大に向けて

楽天では、社内での決裁のほとんどが電子化されているので、働く従業員は個人印を会社で使う機会はほぼないといえます。取引先との間で生じる書類への署名や押印についても、すでに社内プロジェクトとして一部電子化を進めてきましたが、今後全社的にこの取り組みを拡大していく方向で検討を進めています。

現在、印章種別や署名などの機能ごとに、法的な観点からも「できること」と「できないこと」の整理や優先順位付けを行っています。また、各電子化ツールの機能分析等に加え、導入に伴う社内規程の改訂や運用ルールの見直しなど、より効率的なリモートワークを実現するために必要なタスクの洗い出しも始めています。

今は、取引先の状況によって署名や押印が必要となる場合には、業務遂行に支障のないよう、状況が落ち着いてから書面対応を行うといった対策をとっています。

新型コロナウイルスによる影響が長期化すると考えられることを踏まえ、こうした取り組みを推進および実践していくことで、「働く人の命を守りながら、事業を継続できる」社会作りに貢献していきたいと考えています。

こうしたことは一社ではできません。企業の枠を越えて、アイデアを出し合ったり、ノウハウを共有したりしながら、リモートワークであっても経済活動を維持できる環境を社会全体でつくっていけるよう、楽天は引き続きアクションを起こしてまいります!

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