楽天はココでもお役に立ってます!自治体の健康診断の受診勧奨

皆さんは「健康日本21」(注1)をご存じですか?これは、病気や障がいによる社会的な負担を減らし国民の健康寿命を延進して活力ある持続可能な社会を築くこと、早世と障がいを予防して生活の質を高めて豊かな生涯をつくることを目的として、厚生労働省が推進している国民健康づくり運動です。

国民が健康的な生活を長く続けるために、企業や民間団体を活用して特定健診の受診勧奨などに取り組む自治体が増えており、楽天も一部活動に貢献しています。今回の記事では、楽天が福岡県中間市と行った取り組みをご紹介したいと思います。


自治体が抱えている課題とは?

定期的に特定健診を行い、自身の健康について把握することは、健康づくりの第一歩です。しかし自治体では、特定健診の受診率に課題を抱えているところが多くあります。

中間市もその一つです。同市では、40歳以上75歳未満の国民健康保険被保険者対象とした「特定健康診査」において、40~50代と対象の中でも若い世代、特に男性の受診率が低いことが課題でした。現役世代の受診率を伸ばすため、ハガキや電話などで受診勧奨なども行っていましたが、「忙しく受診できない」「何かあったら病院に行くから健診は受けない」といった理由で健康診査の受診につながらないケースが多く、何か効果的な方法はないかと模索していたそうです。

そのような中で、楽天が提案した「プッシュ型受診勧奨」という方法に、40~50代の今まで関心がなかった層にもメッセージが届けられる可能性を感じ、一緒に取り組みを行うことになったと中間市の担当者は語ります。


中間市と楽天が一緒に取り組んだ受診勧奨

「プッシュ型受診勧奨」とは、対象者に受診勧奨のハガキを届けるところから始まります。ハガキでの通知自体はこれまでの市の取り組みとして珍しいものではありませんが、「特別サイト」につながるQRコードが記載されており、特別サイトでエントリー後に特定健診を受診することで、「楽天ポイント」が進呈されるという仕組みになっています。対象となる世代における楽天ユーザー数の想定規模や、「楽天ポイント」をインセンティブにした取り組みによる行動変容への期待などが、採択の決め手となりました。

実際に対象者に送付された、受診勧奨ハガキ。
ハガキにあるQRコードの読み取りで直接サイトを閲覧でき、エントリーに対する利用者の手間をできるだけ削減しました。

実際に、この施策を2022年11月から2023年3月まで実施したことで、特定健診の受診者数が対前年比112%に伸びました。特に対象者へ通知した2022年11月以降の伸びがよく、11月~3月の期間で受診者数を比較すると、前年から28.5%増加しています。受診者数だけでなく、対象者全体の中でどれくらい受診者がいたかを示す割合を見ても前年比2.4%増加しており、全体の受診率向上に寄与しました。

また、前年度健診未受診者(注2)のうち、この事業がきっかけで受診につながったと考えられる受診者の割合は、全体の13%に上ったことも市の調査で分かりました。中間市の担当者にお話を伺ったところ、「自治体単独では通常行うことができないインセンティブがあったことで、対象者である40~50代の世代にとっては特に目新しさやインパクトを与えることができたため、新規受診者の掘り起こしになったのではないか」と考えているそうです。また「今回の取り組みでは、対象者への初回通知が11月であったため、もし年度初めに周知や通知を行うことができれば、さらに大きな成果を出すことができるのではないか」と期待もしているとのことでした。楽天の担当者も、「これを機に毎年の受診勧奨につなげ、さらに全国へ好事例を展開できるよう取り組んでいきたい」と意気込みを語ってくれました。


楽天が健康推進事業に取り組む意義

さて、楽天といえば、「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天モバイル」といったイメージが強い方が多いと思いますが、実は70以上のサービスを提供していることをご存知でしょうか。それぞれのサービスが「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というグループ全体のミッションに基づき、社会を変革して豊かにすることを目指しています。

今回ご紹介した中間市との取り組みは、楽天グループ株式会社のインキュベーション事業部が行っています。同事業部では、これまで新型コロナウイルス唾液PCR検査キットのサービス提供から始まり、今回のような健康診断未受診者などを想定した、個人で簡便にできる生活習慣リスクや歯周病リスクの検査キットも展開しています。

楽天はこれからも、個人の健康な生活のために新しい取り組みやサービス開発することで、健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現に貢献することを目指していきます。

(注1) 「健康日本21」ホームページ: https://www.kenkounippon21.gr.jp/
(注2) 前年度未対象者数(令和4年3月31日時点で39歳)は除く。

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