楽天グループ 2024年春入社新卒社員に向けた三木谷からのメッセージ

楽天グループへようこそ。

フレッシュでエネルギーあふれる皆さんが楽天に入社してくれたことをとても嬉しく思います。

楽天を創業した頃、インターネットのスピードは14.4Kbps程度とかなり遅いものでした。当時、インターネットを活用したビジネスは上手くいかないとされ、「楽天市場」も失敗すると批判されました。しかし、私たちは「インターネットは情報の在り方を根本的に変え、社会を再定義していくだろう」と信じて挑戦してきました。

最初はとても苦労し、「楽天市場」に出店いただいたのはわずか13店舗のみでした。それでも決してあきらめずに営業を続け、日々ソフトウェアの改善に努めました。次第に、多くの人たちがその便利さと経済性に気づいていくようになりました。

成長の第二ステージとして、「楽天ポイント」プログラムの導入がありました。また、世界の巨大IT企業との競争が激化していくことに備え、事業領域を多角化していく必要があると感じ、多様な事業・サービスから成るエコシステムという画期的なビジネスコンセプトを実現していきました。

その後、AIの時代が到来すると感じ始めた2010年頃に、楽天は社内公用語を英語化すると宣言しました。英語化には様々な目的がありましたが、その一つは世界の優秀な人材を獲得することでした。もう一つは、世界から優秀な人材を迎え、楽天で働く従業員たちが互いに学び合えるようにすることで、組織をグローバル化させるという目的もありました。当時、多くのビジネスリーダーたちに「どうせ失敗する」と批判されました。しかし、世界のIT企業と伍していくには、これが唯一の道ともいえるべきものでした。

モバイルネットワークを変革し、携帯キャリア市場の寡占を崩すという新たなプロジェクトも、急速に変わっていく世界において競争に打ち勝っていくために欠かせない挑戦です。現状を打破していかなければ、遅かれ早かれ衰退の道を辿ることになるでしょう。

近年では、金融においても、ショッピングにおいても、バーチャルなインフラやコミュニティが大事になってきています。また、新たなAIトレンドが生まれてきており、5年以内にインターネットの使い方や人々の思考、働き方など、世界のあらゆることが激変することでしょう。

そんな中で、楽天がいつも大事にしている「成功のコンセプト」を紹介します。

1つ目は、「常に改善、常に前進」です。あらゆる環境や人々の行動の変化に日々対応していくことが、これからの時代にはとても重要です。

2つ目は、「Professionalismの徹底」。野球選手が野球のプロであるように、皆さんもビジネスのプロフェッショナルになっていってもらいたいと思っています。

3つ目は、「仮説→実行→検証→仕組化」。行き当たりばったりではなく、未来を見据えて行動するが肝要です。

4つ目は、「顧客満足の最大化」。顧客というのは消費者だけでなく、クライアントやパートナーも指します。お互いにWin-Winな関係性を保つことが大切です。

5つ目は、「スピード!!スピード!!スピード!!」。スピード感を持って行動することが何よりも重要です。

これらを実施して、クライアントやパートナー、同僚の「信頼を勝ち取っていくこと」が大事なのです。

大学を卒業した皆さんは今日から、新しい人生のステージが始まります。

世界は予想もつかない変革を迎え、大変なこともあるかもしれませんが、一方でとてもエキサイティングな時代ともいえるでしょう。皆さんには、「Get Things Done(信念不抜)」の精神を大切にし、このダイナミックな舞台で挑戦していってもらいたいと思います。

2024年4月1日
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史

※当社代表取締役会長兼社長の三木谷 浩史による、入社式での挨拶を和文抄訳したものです。

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