「オーラルケア月間」で歯の意識を改善!楽天のウェルビーイングな取り組みを紹介
楽天グループは、2018年にCWO(Chief Well-being Officer)小林正忠のもと、ウェルビーイング推進に向け、コーポレートカルチャーディビジョン(以下、CCD)を設置しました。3つの部署から構成しているCCDは、個人、組織、社会それぞれのウェルビーイングに貢献することをミッションとしています。そして “楽天健康宣言”として「Well-being First」を掲げ、すべての従業員が健康的に働ける職場環境の提供を目指し、各々が最大限の力を発揮できるように取り組んでいます。
今回はCCDの一部署である「ウェルネス部」にスポットを当てます。個人のウェルビーイング向上を目的とする同部では、従業員の心身の健康を支え、仕事のパフォーマンスアップにつながる取り組みを多数実施してきました。
本記事では、2023年11月に実施した「オーラルケア月間」を中心に、ウェルネス部の取り組みについてご紹介します。お話いただいたのは、ウェルネス部のNicoleさんです。
日本企業に先駆けて、ウェルビーイングの専門組織を設置
—— 近年、健康や幸福などを意味する「ウェルビーイング」という言葉が日本社会にも普及しつつあるように思いますが、楽天グループでは、2018年からウェルビーイングの専門組織「CCD」を設置していますね。
Nicole: はい。楽天では2018年より、“健康宣言”を掲げ、ウェルビーイングの推進に力を注いできました。日本語に訳すことが難しいウェルビーイングですが、楽天では「心身ともに高いレベルで充実し、社会貢献やイノベーションを起こすことができる状態」と定義しています。
そんなWell-being Firstの実現を目指すCCDは、3つの部署で構成しています。私たちウェルネス部は従業員個人、エンプロイーエンゲージメント部は組織や仲間、そしてサステナビリティ部は社会に対して、イベントなどを通じてウェルビーイング推進に尽力しているんです。
—— ウェルビーイングを専門にした部門を設置している日本企業は珍しいかと思います。
Nicole: そうですね。CCDを率いるCWO(Chief Well-being Officer)の小林正忠は「仕事のパフォーマンスを上げるためには、個人のウェルビーイングを整えないことにはありえない」と考えています。それが成せて初めて、楽天のミッションである「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことが実現できると私たちは理解しています。
そもそもウェルビーイング増進に向けた取り組みの最高責任者であるこのCWOを、楽天は国内でも早めに設置しました。近年はCPO(最高人材活用責任者)や、CHO(健康管理最高責任者)などの役職を設ける国内企業も少しずつ増えていて、その重要性が認識されつつあるように思います。
—— 個人のウェルビーイングの実現をミッションとするウェルネス部において、Nicoleさんはどんな活動をしているのでしょうか。
Nicole: 私の専門領域は「身体」です。セミナーやイベントの実施のほか、本社のフィットネスジムでスタジオレッスンやトレーニング指導も行っています。また、スポーツ選手の健康管理やリハビリ、怪我の応急処置をする医療資格も保有していますので、従業員の健康面を担う「産業アスレティックトレーナー」としても、皆さんの身体のサポートに奮闘する日々を送っています。
個人のウェルビーイング実現のためには「身体的な健康」のほかに、「精神的な健康」、「社会的な繋がり」、「経済的な安定」が不可欠だとウェルネス部では考え、其々の領域毎に専門の担当者を設け取り組んでいます。
ウェルネス部の取り組み: 歯から全身の健康を考える「オーラルケア月間」
—— ウェルネス部では具体的にはどんな活動をしているのでしょうか。
Nicole: 「ウェルビーイングサーベイ」と呼んでいる、従業員向けの調査を定期的に実施していて、健康課題を洗い出します。その結果をもとに、問題改善に向けた年間の取り組み内容を考案して実行するんです。翌年には前年の効果や新たな課題も見えてくるので、改善を繰り返すという流れですね。これまでに睡眠改善や姿勢改善、ウォークラリーなど、全身を網羅するほど様々な取り組みを実施してきました。
—— 23年11月には、「オーラルケア月間」が実施されました。
Nicole: 11月8日の「いい(11)歯(8)の日」をきっかけにして、歯から健康を考えてもらおうという試みです。期間中は、「ウェブセミナー」、「歯周病リスク検査キットの配布」、「コミュニティ運営」、「リアル体験イベント&サンプル配布」の4つのプログラムを実施しました。
1カ月通してオーラルケア対策を実施したのは、ウェルネス部として初の試みで不安もありましたが、合計参加者1,726名、満足度97パーセントという結果で、手応えを感じています。
—— とても高い満足度に驚かされます。
Nicole: いろんな方々のご協力があってこその結果だと、ありがたく感じています。
各種検査サービスを提供しているヘルスケア事業部の協力のもと、社外からは洗口液の「リステリン®」などで知られるKenvue(ケンビュー)様、検査キットを製造・販売するアドテック株式会社様やH.U.POCkeT株式会社様にこの活動にご賛同いただき、サンプル品の提供や、セミナー講師・歯周病リスク検査の実施などでご協力いただきました。
—— ではまず、11月8日のセミナーについて内容を教えてください。
Nicole: この日は1時間のウェブセミナーを開催しました。歯周病のスペシャリストにご登壇いただき、歯周病をテーマに、具体的予防策等お話しいただいたんです。日本人の国民病とも言われる歯周病は一度かかると完治せず、全身疾患にもつながる恐ろしい病気ですから、日常の対策、虫歯との違い、歯磨きに加えて洗口液やフロスを併用する重要さなどを教えていただきました。参加申込者は550名におよび、オーラルケア月間の最初のイベントとして、良いスタートが切れたと感じました。
—— 次いで行われた、22日の体験イベントについても教えてください。
Nicole: こちらは本社でのリアルイベントでした。その内容は、オーラルケア動画の視聴、口腔内菌検査、歯周病リスク検査、洗口液リステリン®の配布の4つです。口腔内菌検査は、唾液を採取して、ご自身の口腔内菌を実際に顕微鏡でご覧いただくもの。そして歯周病リスク検査は、自分で舌をブラシで拭って歯周病原因菌が産生する酵素を採取し、歯周病のリスクを3段階で判定するものです。約320人にお越しいただき、こちらも大きな賑わいをみせました。
コミュニティを育んで、新たな楽天流ウェルビーイングの醸成へ
—— 初めてのオーラルケア月間は大盛況のうちに終わったようですが、Nicoleさんが個人的に課題に感じた部分はありましたか。
Nicole: どんな分野においてもそうだと思いますが、あまり関心のない方々へのアプローチほど難しいものはないと感じます。ですから、イベントやプログラムの企画にはいつも苦心していますし、当部の最重要課題であることを今回改めて感じました。
—— そのうえで、これから実践してみたい取り組みのアイデアなどはありますか。
Nicole: 健康にあまり気を遣わない方々もいれば、意識や関心が高い方も社内にはたくさんいます。今後は、そうした健康意識の高い方々に「ウェルネスファン」になっていただいて、その中でも専門知識や資格を持っている方には「ウェルネスアンバサダー」として任命させて頂き、ウェルネス部メンバーと一緒にウェルネス推進活動を行っていただこうと考えています。ウェルネス部が一方的に発信するだけでなく、より多くの従業員の皆さんが能動的に参加して社内で情報発信することで、今まで健康に意識していなかった人がイベントに参加するきっかけになるかもしれませんし、会社全体で健康的な組織風土を実現していきたいと思います。
—— では、最後の質問です。健康や幸福の追求にゴールはないと思うのですが、ウェルネス部の一員としてこれから達成したいことはありますか。
Nicole: 私は外部コンサルタントとして関わったことをきっかけに、楽天へ転職をしてからまだ半年ほどです。ですが、オーラルケア月間をやり遂げて、たくさんの人に想いを届けられるライブのイベントに大きな可能性を感じました。オンラインセミナーでは活発な質疑応答があり、リアルイベントでは他部署の従業員の反応を直接目の当たりにし、嬉しいお言葉をいただくこともあって、とてもやりがいを感じたんです。
人が新しい行動を習慣づけるには3週間ほど時間が掛かると言われていますから、皆さんに健康的な習慣を身につけていただくために、頻繁にイベントを実施したいと個人的には意気込んでいます。また、今後はウェルネスファンやウェルネスアンバサダーの方々と共に、楽天従業員のウェルビーイング向上に貢献していけたら、とても嬉しいです。