楽天グループ 2020年春入社新卒社員に向けた楽天社長三木谷からのメッセージ
皆さんこんにちは。楽天グループへようこそ。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、対面での入社式という形で皆さんにお会いできなかったのはとても残念です。しかしこのような困難な状況下において、たとえ遠隔という形であっても、皆さんに私の考えを今お伝えしたいと思い、ビデオ会議という形をとらせていただきました。
1997年に楽天を創業した数年前の1995年、阪神・淡路大震災が発生しました。
私自身、故郷である神戸で親戚や近しい友人を亡くしました。その原体験こそが私にとってのターニングポイントとなり、価値あるサービスを社会に届けることで世の中に貢献したいという思いが強くなり、起業を決心しました。
創業初期、私とたった5名でスタートした楽天は、今や従業員数はグループで2万人を超え、70以上のサービスを展開する強力な「楽天エコシステム」を形成するまでに成長しました。米国でのブランドロゴ認知度は70%以上となり、ヨーロッパでの事業も動画配信事業を中心に拡大しています。2011年の東日本大震災において厳しい状況にも直面しましたが、それでも楽天は危機を乗り越え、今日まで事業を持続的に成長させてきています。
今回のような状況下であっても、例えばトラベル等の事業が厳しい状況にある一方で、金融やEコマースなどの事業は堅調に推移しています。ここに、「楽天エコシステム」の強みがあります。コロナウィルス感染拡大により世界経済は大きな困難に直面する可能性があります。いまこそ、私たち楽天グループが、そのテクノロジーや力を結集し、社会がこの困難を乗り越えられるよう、全力を尽くすべき時です。
私は数週間前に米国にいましたが、ニューヨーク市や米国中で新型コロナウイルスの感染者が信じられないスピードで急増していくのを目の当たりにしました。これは日本でも起こりうることです。皆さんもソーシャルディスタンスを保つことを心掛けてください。そして、皆さんの友人たちにも呼び掛けてください。この困難な状況は、いずれは必ず収束します。私たちが今すべきことは、一日も早い収束に向けて、あらゆるステークホルダーの皆様と協力し合うことです。今日から皆さんも楽天グループの一員です。社会の規範となるような行動を一緒にとっていきましょう。
皆さんの研修も、今年は感染拡大防止のため、AI・プログラミング研修を含め、最低一カ月間はビデオ会議等を活用した遠隔での実施となりました。人事部と情報システム部のメンバーの多大なる努力のおかげで、皆さん一人ひとりにパソコンを支給し、このような状況下でも前向きに研修に取り組めるような体制を準備しました。
この困難な状況をいつか克服したときに、その経験は人生の重要なターニングポイントとして心に刻まれることでしょう。皆さんも、社会も、必ず以前より強くなっているはずです。
私たちはもう一つのチームです。プロフェッショナルであることへの自覚と誇りを胸に、特にこのような困難の時において、社会のロールモデルになるよう行動しましょう。必ず、収束の時は訪れます。
近い将来、皆さんに直接お会いできるのを心から楽しみにしています。
2020年4月1日
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史
※当社代表取締役会長兼社長の三木谷 浩史による、2020年春入社新卒社員の研修キックオフにおける挨拶を和文抄訳したものです。