再エネを活用した宿泊体験はいかが? ~「楽天エナジー」と「楽天ステイ」が創出する新しい観光価値

カーボンニュートラルな世界に向けた、楽天の取り組み

楽天グループは、2023年までに子会社を含めたグループ全体の事業活動における温室効果ガス排出量を実質ゼロ(排出量と吸収量が均衡したプラスマイナスゼロの状態)にする、カーボンニュートラルの達成を目標としています。

その一環として、事業活動で消費する電力に太陽光や風力など自然界に永続的に存在するエネルギー源である再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)を活用して、温室効果ガスの排出量を削減する取り組みを行っています。 また、環境に配慮したグリーンな未来を呼びかける「Go Green Together」プロジェクトでは、気候変動をはじめとする様々な環境課題の解決に向けて、一人ひとりが取り組むためのヒントや解決の後押しとなるグリーンなキャンペーンや楽天サービスを紹介しています。

レジャー体験でもカーボンニュートラル実現へ

本記事では、2022年12月に「楽天エナジー」と「楽天ステイ」が共同で実施した、宿泊施設「Rakuten STAY VILLA 富士山中湖」への再エネシステム導入プロジェクトをご紹介します!

「Rakuten STAY VILLA 富士山中湖」は、都心から車で約2時間、山中湖ICから約10分という好立地にあり、晴れた日にはテラスや2階のジャグジーバスなど敷地内から富士山を望むこともできる、まさにリゾートにうってつけな独立型ヴィラ。無人運営のためプライベート感あふれる滞在ができる一方で、警備会社の緊急駆け付けを24時間365日受けられる防犯システムにも対応していて安全面も兼ね備えています。

昨年、「楽天エナジー」と「楽天ステイ」は、この施設に太陽光パネルの取り付けを行い、太陽光発電システムを導入しました。屋根に設置した太陽光パネルで発電した電気を施設内で使用し、自家発電する電気だけでは補えない場合のみ電力会社から電気を購入するというスキームです。

この取り組みについて、 楽天エナジー株式会社 執行役員 経営戦略部部長 兼 法人ビジネス部部長の小俣雅邦と、楽天ステイ株式会社 運用統括部 運用室室長の西平安佳里にお話を聞きました。


グループ共同でカーボンニュートラルに取り組む中で、見えてきたこと

― まず、この企画が立ち上がったきっかけを教えてください。

小俣: 楽天グループの総力を挙げてカーボンニュートラルを目指す中で、事業会社それぞれの立場でできることを検討してきました。

西平: 「楽天ステイ」では、駐車場にEV充電器(電気自動車の充電器)を設置するなど環境に配慮する取り組みを行っています。その一環として、「楽天エナジー」と太陽光発電パネルの設置を進めることになりました。


― 双方がカーボンニュートラルに向けて取り組む中で、目的が一致したということですね。実現にあたっては、どのような苦労がありましたか?

小俣: 私たち楽天の関係者だけでなく、工事事業者などプロジェクトに関わる人数がかなり多かったため、体制や契約内容をまとめるのが大変でした。また、施設を営業しながら工事を進める必要があったので、スケジュール確保にも苦労しましたね。

西平: 設置工事期間中にすでに宿泊のご予約をいただいており、営業を休止することは難しい状況でした。そのため、お客様がチェックアウトされる10時から、次のお客様がチェックインされる15時までのわずかな時間に工事を進めてもらうよう調整していただきました。


― お客様がいない時間だけで工事を進めるのは大変ですね……!そんな中でなぜ「Rakuten STAY VILLA 富士山中湖」を選んだのでしょうか?

西平: グループ内での連携の強みの一つですが、楽天がオーナーの施設なので、会社としても新しい試みに取り組みやすかったというのが大きな理由です。カーボンニュートラルの実現というグループ全体の共通認識のもとで、プロジェクトを進めることができました。それに加えて、開けた立地のため日照時間も十分に確保できるという点も理由のひとつです。

このプロジェクトの話を始めた当初は、楽天がオーナーの施設は「Rakuten STAY VILLA 富士山中湖」のみでしたが、今では今年2月にグランドオープンしたばかりの「Rakuten STAY VILLA 那須」や、「Rakuten STAY VILLA 鴨川」を含めて6つに拡大しています。


― 今回の取り組みによってどのようにカーボンニュートラルに貢献できるのか、詳細を教えていただけますか?

小俣: 今回、再エネ化の手段として普及しつつある太陽光発電を「Rakuten STAY VILLA 富士山中湖」に導入し、施設での自家発電を実現できました。これによって、日中に施設内で使用される電力の一部を太陽光パネルで発電された分で賄うことができるようになりました。

西平: 宿泊施設では、施設の保守管理や、お客様を快適な状態でお迎えすることを目的として、お客様がいない時間帯にも空調設備などを動かしていることが多いです。そういった電力消費にも再エネを活用できたのは大きかったと思います。

小俣: 今回の取り組みによって、この施設が排出する年間CO2量を約8t も低減することができるようになりました(注1) 。「約8t 以上」という言葉だけだと、どのくらい削減できたのかイメージがつきにくいかもしれませんが、 1人あたりの1日のCO2排出量は、約5㎏と言われています(注2)。それと比較すると、どれだけ多く削減できたのかが伝わると思います。


― 大きな数字ですね!具体的に、再エネの発電実績・利用率はどれくらいだったのでしょうか?

小俣: 太陽光パネル設置後の2022年12月24日から2023年1月23日の一カ月の実績では、日中使用する電力の約6割以上を太陽光からの自家発電分でまかなうことができています。その分、化石由来・卸電力取引所等から調達した電源を特定しない電気の購入を低減することができました。


― 太陽光電池で発電した電力を貯めておくことはできるのでしょうか?

小俣: 蓄電池を設置すれは可能です。現時点では使用していませんが、「楽天エナジー」には「楽天ちくでんち」(注3)というサービスもあるので、今後活用の可能性もあるかもしれません。


― 宿泊施設を利用する際、利用者が気を付けることでカーボンニュートラルに貢献できるポイントも教えてください。

小俣: 今回の施設で言えば、太陽がパネルを照らしている時間帯に施設内で過ごしていただくことで、より太陽光の利用率を上げることができます。そのように再エネについて少しでも身近に感じていただけたら、それがエコにつながるかと思います。

西平: 「楽天ステイ」では、連泊する際の清掃やリネン交換を行わない「エコプラン」という宿泊プランをご用意しています。電力消費などの環境への配慮だけでなく、価格面でもお得にご宿泊いただけるプランなので、ぜひ選択肢に入れていただけたらと思います。また、再エネを導入している施設を選ぶこと自体が、カーボンニュートラルに貢献できるポイントだと言えるのではないでしょうか。


― 本プロジェクトにおいて、様々なサービスを展開する楽天ならではの強みを生かせたことはありましたか?

小俣: 同じ楽天グループの事業会社として、2023年にカーボンニュートラル達成を目指すという共通の目標を持っていることで、素早い対応ができたことです。それぞれの事業内容に関する理解があったことも、スムーズに連携できた大きな理由だったと思います。ほかにも、外部企業ではなかなか出していただけないような細かいデータも共有いただけたので、うまく活用しプロジェクトの最適化につなげることができました。

西平: 前の質問で、今回の導入で苦労した点をいくつか挙げさせていただきましたが、グループ内での連携だからこそ対処でき、プロジェクトを実現することができたと思います。


― 最後に、カーボンニュートラルを実現するための今後の方針やお考えを教えてください。

西平: 「楽天ステイ」ではこれからも引き続き、再エネを施設運用のオペレーションの中に取り入れていければと思っています。旅行などレジャーを楽しんでいるときは、エコな意識が薄れがちだと思うので、施設の運用者側が気にかけてカーボンニュートラルに貢献していけたらと思っています。

小俣: 「楽天エナジー」は、全世界的にカーボンニュートラルに向かう今、エネルギー事業者として何ができるかを考え続けています。個人的には、再エネの利用が当たり前になる時代が来ると考えているので、たとえばアプリを通して再エネを買って使えたりできたら面白いと考えています。楽天エナジーとしても、提供中の「節電トライ」(注4)をアップグレードする等して、お客様にお得な電力の使用方法などを提案したいですね。お客様にとって合理的・経済的なだけでなく、環境にも優しい再エネの普及に貢献していきたいと思います。

これからも安心して暮らせる未来のために

楽天グループはこれからも、安心して暮らせる社会を次の世代へとつなぐために、環境に配慮した“グリーン”な未来を呼びかけてまいります。脱炭素社会の実現に向けて、グループ全体でのカーボンニュートラルを達成するとともに、様々な楽天サービスを通じて皆様のグリーンな生活やお買い物の選択肢を提供していきます!

楽天グループ「Go Green Together」企画

気候変動等の環境課題解決に向けて、一人ひとりが取り組むためのヒントや解決の後押しとなるグリーンなキャンペーンをご紹介!

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(注1)「楽天エナジー」により、1カ月の自家消費量実績に、令和3年度実績の「楽天エナジー」の電気事業者別排出係数を乗じて年間の削減CO2量を算出。

(注2)出典: 全国地球温暖化防止活動推進センター「一人当たりの二酸化炭素排出量(2020年度)」の年間排出量をもとに算出。
https://www.jccca.org/download/65505

(注3)「楽天エナジー」では、家庭用蓄電池の販売・運用を行う「楽天ちくでんち」を提供。蓄電池の設置を推進することで再エネの利活用を促進し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指す。
https://energy.rakuten.co.jp/battery/

(注4)「節電トライ」とは、「楽天エナジー」が指定する日(節電トライDay)に前週同曜日と比較して電気使用量が削減できていた場合、削減量に応じて楽天ポイントがもらえるサービス。
https://energy.rakuten.co.jp/electricity/power_saving/lp/

◆参考リンク
楽天、「2023年カーボンニュートラル」達成目標を発表(プレスリリース): https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2022/0928_01.html

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