「楽天市場」におけるAI活用の最前線-顧客体験と店舗運営支援の進化-

2026年7月7日(火)、楽天は楽天クリムゾンハウス(本社)にて、報道関係者向けの「『楽天市場』におけるAI活用に関する説明会」を実施しました。
1997年の開設以来、「Shopping is Entertainment!」というコンセプトを掲げ、数多くのユーザーと出店店舗様をつないできた「楽天市場」。本説明会では、急速に進化するAI技術をどのように実装し、顧客体験の向上と店舗運営の効率化を実現しているのかについてご紹介しました。
AI活用で「楽天市場」が目指すお買い物体験とは?
説明会では、まず初めに楽天グループ 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャーの髙間 真里が登壇。楽天が目指すAIの活用と、「楽天市場」ユーザー様のお買い物体験向上に向けた取り組みについて説明しました。

楽天がAI活用を推進する背景には、楽天が保有する圧倒的なデータ資産と、独自の「楽天エコシステム(経済圏)」という強固な基盤があります。楽天は、1億を超える楽天ID、70以上のサービス、そして年間3兆を超えるインタラクションから得られる膨大なデータを有しています。このオフラインとオンラインの接点を最大限に活用し、社内のみならず出店店舗様にもAIツールを提供することで、「楽天エコシステム」全体の成長を加速させることを目指しています。
髙間は説明の中で、「『楽天市場』の主役はあくまでも個性豊かな出店店舗様であり、AIはユーザー様との出会いを生み出すための架け橋です」と強調。5万以上の店舗様が持つ魅力的な商品情報や動画コンテンツに、ユーザーの購買行動データや気候・トレンドなどを掛け合わせることで、パーソナライズされた発見を促すビジョンを説明しました。

AI活用で「楽天市場」が目指す顧客体験として掲げている目標は、以下の4つです。
- サーチによる商品探索の高精度化・効率化
- オフラインで接客しているかのような体験の実現
- 新しい出会いの創出「ディスカバリーショッピング」の実現
- 出店店舗様の専門性を活かしたお買い物体験の提供
これらの目標のもと、楽天は核となる2つのAI機能をユーザー様に展開しています。
髙間:「1つ目は『楽天市場AI コンシェルジュ』です。こちらは対話型のお買い物体験を目指す機能で、大型ショッピングモールを歩きながら店員さんと相談するように、商品との出会いを提供します。季節や生活環境に応じた提案はもちろん、複雑な検索意図を汲み取ることができ、また新たに最大4つまでの商品比較や詳細情報を要約してお伝えすることも可能となりました。これらの機能により購入検討時間の短縮と、ユーザー様の潜在的なニーズに応じた購入単価の向上を実現しています。今後も会話品質・店舗知見・パーソナライズの3軸で継続的に改善し、『接客AI』としてさらに品質を高めていきます。
2つ目は『ディスカバリーレコメンデーション』です。こちらはユーザーの興味・関心をもとに動画を活用した配信を行うことで、新しい商品との出会いを生み出す機能です。楽天が掲げる『Shopping is Entertainment!』を体現するこの機能は、徹底したパーソナライゼーションによってユーザー様も自覚していなかった『欲しいもの』を掘り起こします。今後はライブコマースとの連携も視野に入れており、単なる検索ではない、発見する喜びを追求する魅力的なお買い物体験へと進化させていきます」
出店店舗様向け「Rakuten AI for RMS」の進化と活用事例
次に楽天グループ コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャーの山川 祐介が登壇し、店舗運営システム「RMS」(Rakuten Merchant Server)におけるAI活用の取り組みについて説明しました。

山川: 「RMSでは、商品登録や画像加工、お問い合わせ対応など、店舗運営のあらゆる場面にAIを組み込み、『Rakuten AI for RMS』として店舗運営ツールを提供しています。現在、5万を超える出店店舗様の約半数に、毎月何らかの形式でAIをご活用いただいています。
機能提供以外にも、オフラインイベントや各都道府県のイベントを通じたAI活用の推進、オンライン講座『AI大学』での学習環境の展開、出店店舗様同士の学びの場の追加などを実施しています。
今後は、より付加価値を創出していただけるようなAI機能を拡充していく予定です。第1弾として、データの分析方法が分からないという出店店舗様の声にお応えし、今年4月に『データ分析エージェント』の提供を開始しました。これにより、楽天のデータを用いた複雑な数値分析を対話形式でサポートし、出店店舗様の意思決定を強力に後押ししています」

さらに本説明会には、実際にAIを活用して大きな成果を上げている「プチギフトmomo-fuku」(株式会社百福)専務取締役の木澤 のり子氏も登壇しました。木澤氏は、少人数運営のギフトショップにおけるAI活用の実体験を次のように語りました。
「以前は月間67時間かかっていた問い合わせ対応を、AIの導入により20時間程度まで削減することができました。スタッフも敬語やマナーなどに関する悩みから解放され、迅速に返信をすることでユーザー様からの信頼が高まり、ご注文やレビューで素敵なコメントをいただくなどの好循環が生まれています。商品登録数も1,000点から1万点超へと劇的に増加し、AIはまさに『味方』として、自分たちらしい働き方を支えてくれています」
「楽天市場」独自のさらなる進化へ向けて
楽天は「AI-nization」を推進し、「楽天市場」が「AIが店舗の個性を増幅させ、一人ひとりに最適な出会いを創出する次世代の市場」へと進化することを目指し、5万以上の出店店舗様が持つ多様性と、「楽天エコシステム」の膨大なデータをAIで統合することで、他社には成し得ないお買い物体験を実現します。
その中心にあるのは、AIテクノロジーによる効率化と人間味のある体験の創出の両立です。ユーザー様に向けては、文脈を深く理解する専属コンシェルジュによるお買い物体験の提供を目指し、出店店舗様が培ってきたプロの知見や接客ノウハウをAIに学習させ、デジタルでありながらも、まるで店舗様と直接対話しているような温かみのあるお買い物体験を構築します。
出店店舗様に向けては、店舗運営におけるビジネスパートナーとして定着できるよう、AIを提供していきます。日常業務の効率化だけでなく、店舗様が持つ個性や世界観をAIが正しく理解し、ユーザーとの新しい出会いを創出することを継続的に目指していきます。
「楽天市場」は今後も、AI活用の推進により「お買い物の楽しさ」を追求し、ユーザー様と出店店舗様の双方にとって最適な出会いの場を創出していきます。




