EXILE HIRO氏×佐藤 可士和氏×三木谷が語る「エンターテインメントが創る未来」

様々なプラットフォームやコンテンツが生まれては消える、変化の激しいエンターテインメントの世界。インターネットとデジタルの力で消費者の生活に広く浸透したエンターテインメントは今後どのように進化し、どのような変化を社会にもたらすのでしょうか?

9月に開催した楽天グループ最大規模のイベント「Rakuten Optimism 2022」では、クリエイティブディレクター ・SAMURAI代表の佐藤 可士和氏と、株式会社LDH JAPANの代表取締役会長のHIRO氏を迎え、三木谷 浩史とともに登壇。日本の「エンタメ・コンテンツ力」の未来について語り合うセッションを行いました。

本記事では、特別コンテンツ「エンターテイメントが創る未来」の内容を、ダイジェスト版としてお伝えします。

(講演は、本記事文末のリンク先よりアーカイブ動画にてご覧いただけます)

日本のハイコンテクストカルチャーがコミュニケーションの足かせに?

三木谷:インターネットやスマホが登場してから、コミュニケーションのフォーマットが変わりました。それまで一つのコミュニティや国に集中していた情報が、個人間でつながりましたよね。そのつながり方も多種多様化していて、これは革命的な変化だと思います。この先どうなるか想像するとワクワクするのですが、今回のテーマであるエンターテインメントでいうと、日本のコンテンツが世界で評価されるための成功の法則はありますか?

佐藤氏:僕の仕事であるコミュニケーションデザインでは、エンターテインメントというのは「人が関心を持ってくれる面白いストーリーをどう作って共感を得るか」です。それは、企業でもコンテンツでもアーティストでも同じだと思っています。そのうえで、日本のブランドや企業はすごく良いものを持っていますよね。ただ、自分たちの良さに気づけてないというのはあるのかなと思います。漫画やゲームにしても、もっとうまく世界にコミュニケーションできると思いますし、ポイントは自分自身たちがその本当の良さに気づけるかですね。

三木谷:佐藤可士和が100人いるといいですけどね(笑)。一般的に見て、日本はブランディングが下手と言われますよね。

佐藤氏:日本はツーといえばカーというハイコンテクストカルチャーですよね。海外に行くといろいろな人がいてそういうわけにいかないから、ハッキリとにコミュニケーションしなきゃいけない。日本ならではの言わない美徳とか謙譲の美とか、そこがグローバル化やブランディングでいうとうまく回らない要因の一つで。そこをパチっと変えればいいのかな。

HIRO氏:自分たちも日本なりのエンタメの良さ、LDHの良さをしっかり海外に向けて発信しようと思っていて、タイのバンコクで今準備しています。日本でやってきたことを異国でそのままやって成功するのは難しいと思うので、アニメやゲームなど日本の本当に強いコンテンツとうまくミックスして、自分たちの固定概念に囚われない形で海外に伝わるようにやっていこうと挑戦しているところです。

あらゆるモノがエンターテインメント化する未来

三木谷:フランス人に、なんでフランス人ってブランディングが上手いのですかって聞いたことがあるのですよ。彼が言っていたのは「フランスでは、ルイ・ヴィトンもエルメスも、みんな家紋なんだ」と。家紋をどうやって守るかというところからブランディングの発想が来ているという話をしていて。だから、ブランディングのためのブランディングじゃなくて、もともとブランドのコンセプトがあって、それが好きな人たちが集まってくるイメージ。その中でも、ルイ・ヴィトンはいろいろな新しい試みをしていて遊び心を感じます。

佐藤氏:ブランディングにおいてもエンターテインメント性はすごく大事ですし、これからは企業そのものの活動がエンターテインメント化しないと、支持されづらくなるでしょう。ルイ・ヴィトンが面白いのは、アーティストがアルバムを出すように、次から次へといろいろなことを仕掛けること。これからのブランディングでは、そこを共有することが求められるのかなと。

HIRO氏: K-Popも、ファンに喜んでもらえるようなマーケットを⾃分たちで作っていくことを繰り返していくうちにどんどん⼤きくなっていったと思うんですよね。K-Popのアーティストは20年前から日本語、中国語、英語を習得していましたし、10年以上前からタイやインドネシアなどに拠点があって、BLACKPINK(2022年9月、全米のアルバムチャート「Billboard 200」で初登場1位を記録)で人気のリサというアーティストはタイ出身です。

佐藤氏:三木谷さんもだいぶ前からエンターテインメントもコンテンツもすごく大事だと話していたけど、どう思っていますか?

三木谷:僕らとしては、ショッピング自体もエンターテインメント化したいと思っています。「楽しむ」ということ、「楽しむ」ってなんだっけっていうとこを追求していこうと。そのためにも、コンテンツを育てて、ファンとのつながりを強めたいですね。わかっているのは、これからコンテンツが中心になっていくということです。

これからの「人とエンタメのつながり」

三木谷:インターネットとデジタルの力で、個人と情報のつながり方が今までの数百倍になりました。そこに、NETFLIXやSpotifyといったコンテンツと消費者を結ぶこれまでにないプラットフォームがいろいろ出てきて、さらにNFTやメタバースも登場しています。これからのエンターテインメントもどんどん進化していくし、変化していくでしょうね。

佐藤氏:あらゆることがエンタメ化して、コンテンツ化していくコミュニケーションの世の中になっていくのではないかと思います。境目がどんどんなくなっていくなかで、お二人のような⼈たちがこれから何をしてくれるか、僕は楽しみにしています。本当に。

HIRO氏:エンターテインメントって、ワクワク感というか、抑えきれない衝動のような、なんとも言えないあの可視化できない感覚がすごく大切だと思うんです。こういうことでワクワクしたよねって感覚を大事にしながら発信し、世代関係なくいろいろな人たちの夢をつなげていくことが、エンターテインメントなのかなと。テクノロジーがどんなに発達してもそこはずっと変わらないと思うので、そこを大切にしながら、自分たちのエンターテインメントを世界に発信していきたいですね。


「Rakuten Optimism 2022」のアーカイブ映像はこちらよりご覧いただけます。視聴には登録(無料)が必要となります。

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