テクノロジーの祭典「Rakuten Technology Conference」をレポート!

2022年11月19日(土)、楽天本社「楽天クリムゾンハウス」では、楽天におけるテクノロジーの祭典「Rakuten Technology Conference 2022」を開催しました。

前回から3年ぶりの開催となるイベントには、業界の著名人やパートナーの皆様、そして従業員のご家族など約1,300人以上の方が会場に来訪し、またこの模様は、世界各地にある楽天オフィスでもライブ中継され、世界中から参加者が集いました。

今年のイベントは、「Tech & Green」をメインテーマに、Red Hat社のCTOを務めるChris Wright氏や、Slack Technologies社CPOのTamar Yehoshua氏、Google Cloud社のChief Decision ScientistのCassie Kozyrkov氏など著名なゲストによる講演をはじめ、「環境に配慮したソフトウェア開発」や「『楽天ファーム』におけるIoT活用」に関するトピックなど、様々なテクノロジーに関する21のセッションが行われました。

変化する世界に対して、テクノロジーはどうあるべきか

セッションの一つである基調講演では、三木谷浩史が変化への新たなチャレンジをしていくことの重要性について語りました。

「パンデミックの影響や世界的な紛争、政治情勢など、この3年間で世界は急激に変化しました。この変革はビジネスだけでなく、社会全体でも起きています。変化を恐れ、変化の中に取り残されてしまった国、社会、コミュニティ、そして企業は、“化石”になってしまうでしょう。そのため私たちは、より積極的に、よりオープンに何が起こるかを考えていかなければなりません。

変化への新たなチャレンジは、成功することもあれば、失敗することもあります。しかし、最大のリスクは行動しないこと、新しいことに挑戦しないことです。何かにチャレンジし、失敗しても、そこから学び、また一歩前に進むことができます。私たちは変わらなければならない、そして挑戦しなければならない。クリエイティブにならなければいけません。

また、テクノロジーは、お金を稼ぐためだけのものではなく、社会を豊かにし、社会やコミュニティをより良いものにするためにあります。そして願わくは、世界の平和に貢献するものであってほしいと思います。そのためにも、ビジネスのためだけでなく、世界をより良くするために協力し合う必要があるんじゃないかと思います」

変化に対して、新たなチャレンジをしていくことの重要性について語る三木谷浩史

テクノロジーで未来を切り開く「楽天モバイル」

三木谷は、モバイル業界についても触れ、「モバイルは、私たちの生活の中心になりつつあります。携帯電話は、もはや通話のためだけのものではありません。財布、センサー、AI、自分を発信するプラットフォームでもあります。そして今、それは人間の体の一部となりつつあると言っても過言ではありません。スマートフォンなしで生活するのは、とても不便な世の中になっていますよね。『楽天モバイル』も、『楽天エコシステム』のなかで欠かせない存在となっています」と語りました。

また、楽天モバイルCTOのSharad Sriwastawaも登壇し、これまでのテクノロジーの取り組みを語りました。

「楽天モバイルでは、データを活用した効率的なネットワークの構築をはじめ、ドローン活用による基地局点検の作業時間短縮、低軌道衛星を用いた電波カバー率を100%にする試みなど、様々な革新的な方法と新しい技術を取り入れてきました。また今後も、楽天モバイルと楽天シンフォニーは、“選択と集中”を繰り返しながら、技術革新に取り組んでいきます。

私は、“コネクティビティ”が、スマート社会を実現するための重要な要素と考えています。スマートホーム、スマートシティ、スマートライフスタイルなど様々な言葉が生まれていますが、これらは共通して“どこでもつながる”ことを土台としており、その土台から独自の経済圏をつくりだすことは、将来、世界の通信業界をリードしていくためには重要な考え方です。この“コネクティビティ”の実現と提供ができるよう、楽天モバイルと楽天シンフォニーは、より良い通信環境づくりに注力していきます」

楽天モバイル CTO の Sharad Sriwastawa 

人類は、AIとどう付き合っていくのか

「AI: The Future of Software(AI:ソフトウェアの未来)」のセッションも注目を集めました。このセッションには、Google Cloud社でChief Decision Scientistを務めるCassie Kozyrkov氏と、楽天からCDO Ting Cai、楽天技術研究所のグローバルヘッドであるEwa Szymanskaが登壇しました。

Kozyrkov氏は、「人類の歴史は道具、すなわちツール作りの物語であり、AIもそのようなツールの一つです」と語り、「AIは人間を代替するものではありません。しかし、多くの機会を生み出す、とても強力なツールです」と強調しました。

「人間は指導や模範から学ぶことが可能ですが、コンピューターは従来、人間が与えた指示(コマンド)に従うことしかできませんでした。しかし、機械学習のようなテクノロジーができたことで、人間が行うような“手本や用例から学ぶこと”をデジタル領域で実現することができるようになりました。

そのため、AIというツールが何のためにあるのか、理解することが重要です。AIは、ソフトウェアを作成するツールであり、私たち人間に代わって、コンピューターに何をしてほしいかを伝えるためのアプローチ方法の一つだということです」と続けました。 また、Kozyrkov氏は、楽天が技術における「研究」と「応用」を一つの組織の中で行っている点に着目しており、「優れた研究がそれ単独で行われている場合や、何かの用途に基づいた研究が社外で行われるケースは多く見られます。しかし、楽天技術研究所のように、卓越した研究と応用ベースの研究の双方が社内に存在することはほとんどありません。これは本当に驚異的なことだと思います」とコメントしました。

Google Cloud社でChief Decision Scientistを務めるCassie Kozyrkov氏

そして会の最後には、先進的なテクノロジーにより社会にイノベーションをもたらした個人または組織を表彰する「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2022」の受賞者を表彰するセレモニーが行われ、3年ぶりとなる「Rakuten Technology Conference 2022」は幕を閉じました。

今後も楽天がお届けする、テクノロジー関連のトピックやイベントにぜひともご期待ください!


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