「楽天シニア」が取り組む、DXを通じたシニア世代の社会参加支援
高齢化先進国の日本では、コロナ禍による「人との接触を避ける」という制限の影響もあり、シニア世代のデジタルデバイド(情報格差)や社会的な孤立が深刻な課題となっています。
「楽天シニア」では、自治体と協働で、シニア世代のライフスタイルにDX(デジタル・トランスフォーメーション)を取り入れられるような、地域コミュニティにおける活動を通じてシニアの社会参加を促進しています。今回は、そうした「楽天シニア」による「シニア×デジタル×コミュニティ」の取り組みを、具体的な事例とともにご紹介します。
日本の高齢化社会における課題解決を目指すサービス
「楽天シニア」は、シニア世代のスマートフォン所有率急増を背景に2019年6月から始まった、日本の健康寿命の延伸と高齢化社会における社会課題解決を目指すサービスです。
今年3月に累計ダウンロード数100万を超えた「楽天シニア」のアプリは、運動や外出促進、イベント参加などの機能を通じて、シニアの健康ライフをサポートしています。スマートフォンの使い方に不安を覚えるシニアの方向けには、基本操作に関するスマホ教室を、現在はオンライン中心に開催しています。
総務省の情報通信白書(注)では、デジタル社会の定着を図るには、デジタルへの接触機会を増やし、その価値を実感できるようにデジタル社会の共通基盤を構築し、すべての人にデジタルの恩恵を受けられる機会を設けることが、「誰一人取り残さない」ために必要だと記されています。 「楽天シニア」は、そうしたデジタル社会の基盤となる携帯キャリアサービスを提供する「楽天モバイル」が運営するサービスであるからこそ、デジタルデバイドの課題を抱える自治体と共に「シニア×デジタル×コミュニティ」の取り組みを推進し、社会課題解決に貢献したいと考えています。
オンライン・オフライン双方を活用した新しい形の介護予防
最初にご紹介する「シニア×デジタル×コミュニティ」の事例は、愛知県豊田市です。同市は、「社会参画」や「コミュニケーション」をキーワードに、新しい形の介護予防を展開する「ずっと元気!プロジェクト」を実施しています。そのプロジェクト団体の一つとして、2021年6月に「楽天シニア」を運営する楽天モバイルが採択を受けました。
地域医療センターおよび関連する地域拠点との連携を通じ、シニアの社会参加を推進するため、オンラインとオフラインの双方を活用した「スマートフォン活用の促進」と「健康維持に寄与するイベントの開催」を、他の実施団体と共に取り組んでいます。
豊田市内で行われたプログラム体験会では、参加者の皆様と共に、とある体操が行われました。それは「大人のための体操のおにいさん」として知られるごぼう先生とコラボ制作した、「楽天シニア」オリジナルの介護予防体操「TYT体操」です。皆様のポーズ、決まっていますね!
「楽天シニア」のアプリ内ではあらゆるご当地体操の動画が視聴できる!
オリジナルの体操といえば、今年3月に、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターが開発・運用している「オンライン通いの場」とのデータ連携がスタートしたことで、「楽天シニア」のアプリ内で全419自治体のおすすめご当地体操動画や、週間人気ランキング、動画の長さで選べる体操動画の閲覧などが可能になりました。
各地域の特色が取り入れられたご当地体操を、毎日日替わりでやってみよう!というのも、良い運動のきっかけになりそうですね。
高齢化率40%超の自治体で、スマホ教室と通いの場づくり
続いて、愛媛県宇和島市の離島、九島(くしま)でのプロジェクトの事例をご紹介します。愛媛県宇和島市の高齢化率は40.2%(2022年4月時点)と、日本全体の29.1%(2021年9月時点)を大きく上回っており、引きこもりなど高齢者の社会的な孤立を解消する対策が急務となっています。同市の重層的支援体制整備事業の一環で、「楽天シニア」が地域交流拠点においてスマホ教室を開催するとともに、通いの場づくりによる効果分析・検証の実施を行うことになりました。
地域住民の皆様が6カ月間、地域交流拠点に定期的に集いました。基本的なスマートフォンの操作からバーコード決済、SNSやZoomの利用方法まで、リモートで説明をする講師やその場のスタッフから、スマートフォンの様々な使い方を少しずつ学んでいきました。
単に座学ではなく、参加者の皆様で、バーコード決済とポイントを貯めることを実践しに、車に乗って最寄りのドラッグストアとスーパーマーケットにお出掛けをしました。
「(参加前は)何もできなかったんだけど、Zoomもできるし、決済もできるし、皆さんと楽しく勉強できたから良かったです」と、参加者から嬉しい声もいただきました。
九島の美しい景色と、参加者の皆さんを映したドローン撮影動画をぜひご覧ください。
見ているだけで楽しんでいただけている様子が伝わってきました!参加者の皆様が、スマートフォンを色々と活用できるようになった姿に、ご家族や周囲の皆様も驚かれそうですね。
他の自治体においても新たな取り組み予定があるとのことで、今後の「楽天シニア」の「シニアxデジタルxコミュニティ」の拡がりにもぜひご期待ください。
注:総務省 情報通信白書令和3年版 第3章「誰一人取り残さない」デジタル化の実現に向けて https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/r03.html