すべての従業員が生き生きと働ける職場に!障がいへの理解を深める楽天の取り組み
師走と呼ばれるほどイベントが多く忙しい季節の12月。楽天でもクリスマスの飾りつけや納会など、様々なイベントが行われました!そんな12月ですが、実は12月3日が「国際障がい者デー」と制定されていることをご存じでしょうか。1982年のこの日に、「障がい者に関する世界行動計画」が国連総会で採択されたことから、1992年11月の第47回国連総会で制定されたそうです。
「国際障がい者デー」では世界中で啓発活動が行われていますが、楽天でも社内で様々な取り組みを実施しました。12月中には2回のセミナーを開催。第1回目は「Inclusion(多様性を受け入れること)」をテーマに障がいについて改めて考えるとともに、ウェブで表示されるテキストを読み上げてくれる「音声読み上げツール」を使って、視覚障がいをお持ちの方の仕事環境を疑似体験しました。第2回目のセミナーは「アクセシビリティ」をテーマに、外部講師をお招きして、楽天のサービスをより外部の方が使いやすくするポイントについて学びました。
セミナーだけでなく、オンライン会議などで使用できるバーチャル背景も作成し、従業員に配布!従業員全体でイベントの認知拡大を図りました。
今回、セミナーで登壇された、楽天ソシオビジネスで働く皆さんに、インタビューを行いました。楽天ソシオビジネスは、国籍・文化・ジェンダー・LGBTQ+などあらゆる側面でダイバーシティ&インクルージョンを推進している楽天グループにおいて、特に障がい者雇用の面でその推進に大きな役割を果たしているグループ会社です。企業のビジョンとして「多様な人が、多様なまま、多様に活躍できる社会の実現」を掲げています。
今回、セミナーで登壇された、楽天ソシオビジネスで働くHitoshiさんとTakeshiさんに、このセミナー開催の経緯や意義をお聞きしました!
― 楽天として「国際障がい者デー」の取り組みを行うことになったきっかけを教えてください
Takeshi:楽天は、ダイバーシティを企業戦略の柱の一つとしており、すべての従業員が最大限に力を発揮できる環境の整備に努めています。「障がい」に関しても、LGBTQ+やジェンダー、異文化交流と並んで、楽天の重要なダイバーシティの重点分野の一つです。実際にこれまでも障がいを持つ従業員の活躍を紹介するイベントや、ブラインドサッカーなどの体験型イベントなど、従業員が障がいについて学び、相互理解を深められるイベントを開催してきました。2022年はグループ会社である楽天ソシオビジネスが15周年を迎えたこともあり、グループ各社が連携してこのテーマを打ち出す絶好のタイミングと考え、国際障がい者デーを祝い、私たちのコミットメントをさらに示したいと考えました。
― 実際に行ってみて、周りからの反響はいかがでしたでしょうか。
Takeshi:今回は主に視覚障がいを持つ方にフォーカスしたセミナーでしたので、障がい当事者である私としては、正直なところ当日までどのような反応をいただけるのか不安でした。しかし、ふたを開けてみれば、実に9割を超える皆さんからご好評をいただくことができました。「目の不自由な人の立場になり、今まで考えたことのない視点で考えることができた」など、多くのコメントやご質問も頂戴し、皆さんのご関心の高さやInclusionに向けた意欲を肌で感じています。
― 逆に実施するうえで大変だったことはありますか
Hitoshi:特に大変だったのは、当日のライブ進行の中でZOOM機能の活用を最大化した「イベント自体のインクルーシブ化(一部の人を仲間外れにしないこと)」です。当日は「体験型イベント」を意識して、共有画面を切り替える際なども、その場でフォルダを開く様子を音声リーダーに読み上げさせた音声を参加者の方にも共有し、視覚に障がいを持っていない方にも視覚障がいを持つ人が普段どのようにPC操作をしているかが伝わるような疑似体験をもたらす工夫をしました。さらに、英語への同時通訳のチャンネルや、手話への同時通訳のチャンネルも同時に立ち上げ、英語話者の方や手話話者の方でもイベントに参加できるように同時に様々なチャンネルを立ち上げていました。
―今回の取り組みにかかわらず、生き生きと働くことのできる職場環境を提供できるよう楽天は努力していますが、楽天の取り組みについてどう思いますか
Hitoshi:大変すばらしいと思います。私の周囲の知っている企業で、このように先端的な取り組みを大々的に行っている企業は見当たりません。
Takeshi:個人的に楽天は普段から困りごとを助け合うような社風だと感じており、さらにこうした取り組みが継続されることで、より働きやすい環境になっていくのではないでしょうか。今後はセミナーの内容や、イベント開催のコツなど、社内の成功事例をもっと外部に発信していきたいと思っています。
―今後どのような取り組みを行っていきたいか、展望を教えてください。
Hitoshi:楽天ソシオビジネスでは、「多様な人が、多様なまま、多様に活躍できる社会の実現」をビジョンに掲げています。障がいの有無のみにかかわらず、ダイバーシティ&インクルージョンに関するあらゆる取り組みを活性化させていきたいです。
一方で、これだけ先進的な取り組みを行っている楽天ですが、日々のちょっとした場面で「なぜわざわざ障がいを持つ人に仕事をさせているのですか?健常者にはない特別な能力があるのですか?」というような無垢な偏見、先入観、差別といえるような発言に出合うこともまだあります。私たちは、障がいを持つ人が活躍できる場をつくる、ということを主眼にダイバーシティ&インクルージョンの実現に挑戦している企業なので、従業員の日々の活躍が多くの人の目に触れていくことでそのような偏見、先入観、差別を自然と溶かしていくことを目指しています。そのような取り組みを通して楽天のカルチャーづくり、企業価値づくりに貢献しながら、日本中、世界中にその価値観を発信していきたいと考えています。
楽天には本当に多様な人たちが働いています。たくさんの人たちがいるからこそ多様な考え方やアイデアが生まれ、イノベーションが起こせると楽天は考えています。最終的には、どのような立場の人でも自然に働いている、それが当たり前で多様性や障がいという言葉すら意識する必要のない環境が理想ですよね。そのためには、各々がそれぞれの立場を理解し、それぞれに応じた配慮ができる環境を作ることが大切です。
楽天では、まずは多様な立場について、一つ一つ理解を浸透させて行く取り組みを進めることで、一人ひとりが違いを認められ、それぞれのバックグラウンドや能力を最大限に発揮できる風土づくりを今後も努めていきます!