楽天社員でありながら、NBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」のチアダンサー!伊藤奈美さんの挑戦
楽天で働く社員が、ある日、超狭き門であるアメリカのプロバスケットボールNBAのチアダンサーになる。そんなミラクルなことがあるのでしょうか!?
2013年に新卒として楽天に入社した伊藤奈美さんは、NBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」(以下、「ウォリアーズ」)のチアダンサーになるという夢を叶え、現在アメリカでチアダンサーと楽天社員の二足のわらじを履く生活を送っています。そんな彼女の挑戦について、お話を伺いました。
—伊藤さんのチアダンサーとしての経歴と、「ウォリアーズ」のダンスチームに入団するまでのことを教えてください。
もともと日本の高校でアメリカンフットボールのマネージャーをしていました。そこで、本場アメリカの舞台にチアダンサーとして立つという夢を抱き、18歳の時に、日本社会人アメリカンフットボールリーグ「Xリーグ」で大阪を拠点とする「アズワンブラックイーグルス」のチアダンスチームに入団しました。チアダンスの経験がそれまでなかったのに合格できたのは、すごくラッキーでしたね。その後、楽天に就職してからも「Xリーグ」の「鹿島ディアーズ」、「リクシルディアーズ」、「オールスタープロチアリーダーズ」にてチアダンサーの活動を続けました。とにかくスポーツが大好きなので、就職活動の時も、スポーツを応援している会社を志望していました。いつかアメリカの舞台に立ちたいという夢は、楽天に内定をもらった際にも伝えていました。入社してからは、「楽天トラベル」の国内営業部の一員として働きながらも、仕事の後は、チアダンスの練習や筋トレに勤しんでいて、めったに会社の飲み会に登場しないことで有名でした(笑)。でも、周囲はみんな応援してくれて、本当に周りの人間関係には恵まれてきたと思います。
とはいえ、アメリカでチアダンスをやるなら会社を退職し、大学院に進学するしか選択肢はないだろうと考えていたのですが、2016年にナショナル・フットボール・リーグ(NFL)「ニューヨーク・ジェッツ」のチアダンスチーム入団トライアウトに挑戦して受かった際に、会社と相談した結果、2016年の6月から1年半、「楽天トラベル」の国際営業部に所属という形でアメリカ勤務にしてもらうことができたんです!チアダンサーと仕事を両立させる生活が認めてもらえたのは、グローバル企業でかつ寛容な文化をもつ楽天ならではです。1年半、忙しく厳しくも、本当に貴重な経験をさせていただきました。
楽天社員初の「ウォリアーズ」チアダンサー誕生!
2017年の9月に、楽天がNBA「ウォリアーズ」とパートナーシップ契約を締結したことが発表されました。大好きなチームで、チアダンサーにもすごく注目していたので、それはもう飛び上がるほど嬉しかったです。「ウォリアーズ」のチアダンサーになることが、私の中で新たな目標となりました。
「ウォリアーズ」のチアダンスチームは毎年オーディションで公募されていて、2018年は、8月にオーディションが行われることが分かったので、3月には上長と人事にチャレンジしたい旨を伝え、楽天トラベルからグローバル人事部に異動させてもらい、再度米国赴任することが決まりました。そして7月に渡米し、オーディションに向けた準備を始め、公開オーディションを経て、ついに「ウォリアーズ」のチアダンサーとして合格しました!
総勢22人のチームのうち、アメリカ人でないのは私だけでしたが、チームメンバーと濃い時間を過ごし、かけがえのない経験をすることができました。私のルーキーイヤーとなった2018-19シーズン、「ウォリアーズ」はNBAファイナルに進出して優勝争いをすることになり、非常に熱の入った1年を過ごすことができました。チアダンサーは1年毎の契約なので、初年度は2018年10月から2019年7月のシーズン終了までの契約でした。今シーズンもアメリカで再度オーディションを受け、無事に合格することができたので、2019-20シーズンも「ウォリアーズ」のチアダンサーとして活動しています。
—アメリカで、楽天社員と「ウォリアーズ」のチアダンサーとしての生活はどのように両立されているのでしょうか。
月曜から金曜は、カリフォルニア州サンマテオの楽天オフィスに9時から17時まで勤務し、仕事が終わった後、週3回19時から23時まで練習があります。また、シーズンがはじまると試合も入るので、かなり濃密なスケジュールです。
でも、他のチームメンバーも皆、定職に就きながらチアダンサーの活動をしています。学校の先生だったり、ソフトウェアエンジニアや大学院生、ロースクールに通うメンバーだったりと、仕事やキャリアを築きながら活動する姿が素敵で、私も刺激をもらっています。楽天は、私が入社した2013年から年々進化を遂げ、ますますグローバル企業へと変革していると思います。ダンサーとしてもキャリアウーマンとしても同時に活躍できているのは、世界中に拠点を持つ楽天ならではなので、とてもありがたく思っています。
「ウォリアーズ」のチアダンスチームは、毎試合オーディションがあるんです。はじめの頃は、試合へのオーディションでカットされたこともあり、プロのチアダンサーという世界の厳しさを痛感しました。この経験を通して、細部まできちんとこだわって練習して、ひとつひとつの練習や踊りに全身全霊を注ぐことを心がけています。
試合中はもちろんなのですが、私が感じる一番の見どころは、プレーヤーの入場シーンです。会場全体が暗くなり、“Are you ready”という合図とともに、選手が入場してきます。その瞬間、アリーナ全体が声援で一体となる様子は、何度立ち会っても、魂が揺さぶられるほど感動します。
また、2019-20シーズンは、NBAのプレシーズンゲーム「NBA Japan Games Presented by Rakuten」が開催され、私も期間中に開催された「NBA Fan Night」にゲスト参加させていだたき、最高のスタートを切ることができました。
「常に改善、常に前進」、経験を「人」の育成に役立てる
—伊藤さんのこれからの夢を教えてください。
「常に改善、常に前進」という楽天の主義は、私にとって仕事でも私生活でも大きな影響を及ぼしてくれました。寛容・多様で社員の夢を応援してくれる風土があり、スポーツを支援している楽天の一員であることを、誇りに思っています。社内では、ものすごく多くの人たちにサポートしていただいてきたので、組織で最も大切な「人」を育成していく仕事に関わっていけたら嬉しいと思っています。
スポーツが大好きなので、チアダンサーに限らず、アスリートのサポートなども行っていきたいと思います。スポーツ選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるように協力できることがあれば、メンタル面やトレーニング面、あるいは食事面など、何かしらのサポートをしていきたいと思います。
まずは今年も1年間、「ウォリアーズ」のチアダンサー、そして楽天社員として、精一杯やっていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします!
NBAの2019-20シーズンは10月24日(日本時間)に開幕し、今も伊藤さんは現地でチアダンサーとして活躍しています。伊藤さんの今後の活躍が楽しみです。