楽天グループ 2023年春入社新卒社員に向けた三木谷からのメッセージ

楽天グループへようこそ。

今日は、皆さんにとってビジネスライフの最初の日という記念すべき重要な日です。

私からは、なぜ楽天を創業したのかと、今後、向かっていくべき未来についてお話したいと思います。

私は、大学を卒業した後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に就職しました。その頃、日本の経済は世界でNo.1と言われ、日本興業銀行も時価総額が世界で最も高い会社でした。日本経済は製造業を中心に、とても勤勉な文化などの背景により、急成長を迎えていました。

当時、私はスタートアップに入ることは考えておらず、大企業に入り日本の経済をリードする一員となっていくことを目指していました。

ところが、アメリカのビジネススクールから帰ってきた頃には、これからはインターネットが世界のすべてを変える、大きな変革を起こすだろうということを確信し、起業を目指すようになりました。

インターネットが情報の在り方の本質を変え、重厚長大な産業中心から、サービスやソフトウェアベースの産業へと変わっていくだろうと考えたのです。

当時のインターネットのスピードは14.4Kbpsでした。今となっては1Gbpsとなっていますが、それでも私たちはまだ、ビッグバンとも呼べる大変革のほんの始まりにいます。 インターネットはすべてのものにつながるようになり、AIはすべてを変えていくでしょう。

ここにきている皆さんは楽天ができてから生まれており、楽天はITで成功した大企業と思っているかもしれませんが、楽天は今もまだトランスフォーメーションを続けている最中にいるスタートアップです。

皆さんが楽天に入ってきた理由は何でしょう?それはほかの日本の伝統的な企業と楽天は違うと感じたから入社したのではないでしょうか。

一緒に新しい未来をつくりましょう。10年先や20年先の世界は今とは全く違う世界になっているでしょう。そのために私たちは常に進化し続け、イノベーションを生み出し続けなければなりません。

楽天が挑戦し続けてきた、その一つの例として「楽天モバイル」があります。私たちが実現しようとしているのはワイヤレスネットワークの再定義です。低廉な料金でモバイルサービスを届けていくために、アントレプレナーシップ(実業家精神)のもと、完全仮想化という新しいテクノロジーを駆使してコネクティビティの変革を目指しています。

すべての情報に世界中の人がアクセスできる今、ワイヤレスのコネクティビティはとても重要です。ハードウェアという大きな障壁があり、この業界は大手に独占されてきましたが、楽天はアグレッシブなアイデアでこれを変革し、ワイヤレスネットワークを開放してきました。大きなチャレンジを乗り越え、その技術は世界から注目されていますが、これはまだ始まりに過ぎません。

なぜ楽天はいつも大きなリスクを負ったチャレンジをするのでしょうか。

それはテクノロジーやイノベーションを通して、社会をよりよくしたいという思いを大切にしているからです。

皆さんはこれから様々な課題に直面することもあるでしょう。ただ、そのチャレンジは、新しい世界を切り拓いていくための機会ともなるものです。皆さんは、会社に入ったのではなく、楽天という社会をエンパワーメントするための新たな挑戦をするプロジェクトに参加したのです。

楽天は、とてもダイバーシティ(多様性)のある組織であり、何が何でもやり遂げるというタフさを兼ね備えた、日本発のグローバルカンパニーです。皆さんは楽天で新社会人として、様々なものを学んで強くなっていくことでしょう。それは楽天にとっても大きな強みとなります。

才能あふれる情熱的な方々がたくさん楽天に入社してくれたことをとても嬉しく思います。一緒に様々なチャレンジをして社会を変えていきましょう。

2023年4月3日
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史

※当社代表取締役会長兼社長の三木谷 浩史による、入社式での挨拶を和文抄訳したものです。

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