欧州初の完全仮想化Open RANベースのモバイルネットワーク構築プロジェクトでフレンドリーユーザーテスト成功
楽天グループとドイツの通信事業者1&1は、ドイツにおける第4のモバイルネットワーク構築について、2021年8月に長期的なパートナーシップを締結し、Open RAN技術に基づく欧州初の完全仮想化モバイルネットワークの構築に取り組んでいます(注)。
1&1は、2022年8月4日に開催された第2四半期決算発表の中で、モバイルネットワーク構築の進捗状況についての最新情報を公表しました。本記事ではその内容を詳報します。
ネットワーク構築は順調に進行中
1&1と楽天シンフォニーを含むパートナー企業は、2022年前半に、最初のアンテナとデータセンターの運用を開始し、都市部でのネットワーク展開を進めています。1&1は、5G周波数に関する展開義務に基づき2030年末までにドイツ全世帯の50%をカバーする計画としていましたが、同社が決算で発表した最新情報では、これを上回る展開が可能だという自信が示されました。
固定無線アクセスのフレンドリーユーザーテスト(FUT)でポジティブな結果
1&1は、初期のネットワーク利用可能エリアは限定されているため、5Gモバイルサービスを固定回線の代替手段として提供しようとしています。この計画に基づき、7月に開始された最初のフレンドリーユーザーテストでは、モバイル通信で固定回線を代替する製品を実際の環境下でテストしました。
そのテストで、1&1のOpen RANは、通信速度が毎秒1ギガビット(Gb)、エッジクラウドでのゲームアプリケーションでのレイテンシーが3ミリセカンド、および24時間以内に顧客あたり8テラバイト(TB)以上の安定したデータ転送を行い、想定通りのパフォーマンス実現というポジティブな結果が得られました。
同テストでは、ダウンロード速度が毎秒1ギガビットで、24時間で1顧客あたり8テラバイトを超える安定したデータ転送でパフォーマンス目標も達成しました。
1&1のネットワークでは、今後数カ月以内にさらに多くの機能が導入される予定です。特に、電話については、1&1のOpen RANベースのネットワークがドイツ国内外のネットワークに接続される計画といいます。2023年後半にはこれらの作業が完了し、ドイツテレフォニカと合意した国内ローミングサービスが有効となることで、1&1は、サービス開始直後から全国規模の通信カバレッジを顧客に提供できるようになると見込んでいるとのことです。
1&1 の業績やネットワーク展開に関する詳細情報は、 https://www.1und1.ag/investor-relations-en(英語・ドイツ語のみ)をご覧ください。
(注)プレスリリース:楽天、ドイツ通信事業者1&1社のモバイルネットワークを構築
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2021/0804_03.html