スポーツ観戦の未来~ウィズコロナ、新しいスポーツの楽しみ方(ヴィッセル神戸編)

6月、7月にかけて日本のプロ野球、プロサッカーリーグが開幕・再開しました。数カ月にわたる公式戦中止期間、多くのファンが再開の日を待ち望んでいたことでしょう。新型コロナウイルス感染防止策を取りつつスタートした開幕戦以降、野球場やサッカースタジアムでは色々な工夫がされ、ソーシャルディスタンスを保ちながら試合観戦ができる取り組みが行われています。

前回の「楽天イーグルス編」につづき、スポーツの楽しみ方、応援の仕方が変わっていくであろうウィズコロナ・アフターコロナ社会に向けて、スポーツの感動や楽しさを世の中に広めるための活動やスポーツ観戦の未来について、「ヴィッセル神戸」広報部にお話を伺いました。


――2月に行われた第1節後に休止期間が始まり、7月4日に約4カ月もの休止期間を経て、J1公式戦が再開となりました。チームの選手や広報含むスタッフはどのように受け止めていますでしょうか?

ヴィッセル神戸広報:我々スタッフも再開を心待ちにしていたので、大変うれしく思っています。休止期間には「医療者応援プロジェクト」や、ヴィッセルチャンネルというWeb会議のZoomを使ったサポーターとの交流会などを行っていました。様々なコンテンツを世の中に発信するように心がけていました。ただ、サッカークラブの一番の売りはやはりピッチ上で実行されるサッカーなので、試合がある日常が戻ってきてよかったです。


――公式戦再開にあたりどのようなことを心がけて準備されましたか?大変だったことは何でしょうか?

ヴィッセル神戸広報:コロナ禍における再開だったので、Jリーグのプロトコルに従って無観客での再開となりました。これまで当たり前のようにやっていたことがコロナの影響によってできなくなってしまい、一方でこれまでにない運営方法が必要となり、スタジアムの準備で特に忙しかったという印象です。我々広報は記者との調整であったり、「DXチケット」というオンラインの特別企画を準備したりでいろいろと忙しかったのですが、一番大事にしていたのは選手たちが安全で安心できる環境でサッカーに集中できるようにすることでした。

スタジアム内の新しい観戦方法についてのPRイメージ。安心安全なスタジアム環境づくりを観客と共に取り組む姿勢が伝わる。詳細ページは画像をクリック。

――ホーム開幕以降、反響の良かった取り組みはどのようなものがありましたか?

ヴィッセル神戸広報:再開初戦には特設ページ上で楽天グループサービスと連携したオンライン観戦企画を実施し、多くの方に訪れていただき好評を得ました。YouTubeにアップした神戸讃歌応援動画やスタジアムに設置したサポーターの写真ボードなども反響が大きかったです。

(左上)楽天グループサービスと連携したオンライン観戦企画特設ページ画面。(左下)「Rakuten Music」のキャンペーン企画ページ。(右上)ファンと共に作成した神戸讃歌応援動画。 (右下)スタジアム観客席にはサポーターの写真ボードが!ビジャ選手の姿もありました。

――無観客での試合開催という未曾有の事態が続いていました。選手たちの気持ちやモチベーション、チームの状態はいかがでしょうか?

ヴィッセル神戸広報:選手やチームのモチベーションは引き続き非常に高いレベルだと思います。昨シーズンは天皇杯優勝を飾り、今シーズンもFUJI XEROX Super Cupを優勝してスタートしたので、勝つ喜びを味わっていますし、今後も勝ちたいというハングリーさは伝わってきます。ホーム再開の広島戦はうまくいきませんでしたが、シーズンはまだまだ長いので、良い結果を出すためには充分時間はあると思います。優秀なクラブは他にもたくさんあるので優勝は決して簡単ではないですが、選手たちは良い状態で練習しているので、今後が楽しみです。

チームは0-3と敗北を喫したが、選手たちからは再開初日を勝利で飾る意気込み、プレーする喜びがオンライン中継越しに伝わってきました。

――無観客やハイブリッドなど、新しい観戦・応援スタイルが一般的になることが予想される今後、チーム広報としてどのようにチームやスポーツを広めていきたいと思いますか?

ヴィッセル神戸広報:サポーターにはスタジアムに来れなくても、なるべくチームを近くに感じていただきたいです。なので、我々の役目はできるだけ現場の状況をコンテンツとして届けることです。サポーターは何が見たいのか。何に興味があるのか。そういった内容を常に考えて発信していきたいです。そして、「今までできなかったけど今だからこそできることがある」と、いくつかやっていて感じることもあるので、常にクリエイティブでいて新しいものを提供したいです。

(左)新しい試みとして、スタジアムにいなくても、スマホの画面をタップすることで、スタジアム内のスピーカーから歓声や拍手などの音が流れ、選手に応援を届けることのできるシステムを試験的に導入(※今後の試合での実施については未定)。(右)再開初日に用意されたオンライン特別企画「DXチケット」のひとつ「1day VIP ticket」には、サイン入りレプリカユニフォームや公式球のプレゼント、試合後の選手とオンライン交流やバックステージパスといった豪華特典が!オンライン観戦をさらに盛り上げる工夫がされている。

――サポーターには、今後どのように楽しんでもらうことが理想的でしょうか?

ヴィッセル神戸広報:理想はウィズコロナの状況にあっても当たり前なことを当たり前に楽しんでもらえるようにすることです。情報がほしい方はホームページでその情報が手に入る。チケットを購入したい人はすぐに購入できる。欲しいグッズは注文してすぐ家に届く。そしてチームコンテンツはSNSを見ればしっかりと投稿されている。どんな状況にあっても、こうした当たり前を常に実現することが我々の仕事だと思っています。あとはスタジアムに来れない方たちの意見を聞くことが大事になってくると思います。スタジアムに来れなくても同じ熱でチームを応援してもらいたいので、求められているもの、そして求められている以上のものをサポーターに提供したいです。


8月以降、観客数制限が設けられながらも、スタジアムで観戦することができるようになりました。感染症対策に油断ならない日々が続きますが、チームとサポーター同士がつながれる、様々な新しい取り組みが生み出されていくことでしょう。

当たり前にスタジアムで観戦できる日が一日も早く戻ることを願って、これからも「ヴィッセル神戸」を応援しましょう!
Let’s go Vissel!

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